同性愛者の二人が死ぬまで添い遂げる 異色のBL漫画に感動したい人へ『コンプレックス』

こんにちは。漫画大好き辰巳です。

今回は、愛し合い、一度は別れ、再び会って死ぬまで添い遂げる、ある同性愛者たちの一生の物語『コンプレックス』を紹介します。

最近は本屋さんの1コーナーを占領するほど隆盛を誇っている一大ジャンル「BL(ボーイズラブ)」ですが、BLの中にもいろいろジャンルがある中で、「これはなかった!」と驚いた作品です。

あらすじ――11歳から83歳までの物語

BLに限らず、物語の多くは「そして二人は結ばれて、幸せに暮らしました。めでたしめでたし」で終わるのが典型的なパターンなわけですが、この作品は、幼馴染の二人を11歳から83歳まで、一生を通して描ききっています。

各章のタイトルがそのまま彼らの年齢を刻むのもユニークです。

最初は11歳。藤岡達也と篠崎淳一は幼馴染の元気な小学生として登場します。幼いなりに性への目覚めを意識して、お互いを見るようになります。

15歳。初めてのキス。

17歳。女性ではなく、お互いのことが好きだと気付く二人は初めて愛し合います。

22歳。友人たちの前で堂々のカミングアウト!

24歳。達也がなりゆきで関係をもってしまった女性が妊娠。達也は淳一をあきらめて、女性と結婚する道を選びます。淳一は達也の前から姿を消してしまいます。

31歳。達也の妻がガンに冒され、一人息子を残して死去。その後、達也のもとを訪ねてきた淳一が、「また一緒に暮らさないか」と提案し、達也とその子の健太、そして淳一の3人が同居して、二人の人生は家族として再スタートします。

達也と淳一の穏やかな日々と、健太の成長がささやかな波風を立てつつ、物語は続きます。

死がふたりを分かつまで。「お迎え」が来るその日まで。

辰巳の感想――恋人たちの一生

文庫版全3巻を読み終わってしみじみ感じたのは、「ああこれはBLを舞台にした家族の物語だったんだな」という、重いようなすがすがしいような気分でした。愛や恋の一部分を切り取るのでなく、二人の主人公の人生すべてを見守った神の視点がそう思わせたのでしょう。

物語は二人が死んで終わります。ですが、最終章のタイトルはForever、永遠とあるのです。そう、まさに二人の愛は永遠。いや、比喩でなく、本当に永遠なのです

たった3巻で永遠を描ききる作者、すごいです。アナタは神ですか?という感じです。

世にBL本あまたありといえども、本作の存在は別格。もはや純文学てす。作者、文豪です。

現実では同成婚の認められていない日本、結婚した3組に1組が離婚する日本ですが、永遠の家族も存在する、という夢あるいは希望を描いた作品です。

ボーイズラブはどうもという人は、純文学だと思って読んでみてほしいと思います。

ボーイズラブが好きな人には、BL屈指の名作としてぜひ押さえてほしいと思います。

男でも、女でも、誰でも読める、素晴らしいボーイズラブ作品です。

作者・まんだ林檎とは・・・

同人誌活動も息の長い方で、主にボーイズラブ、ティーンズラブを発表されています。

栗本薫の推理小説「伊集院大介」シリーズのコミカライズ作品が代表作とのことですが、未読ですみません。

本作は8年にわたり連載された作品で、作者の20代そのもの、というコメントがあとがきにあります。

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『コンプレックス』

まんだ林檎(まんだ・りんご)著

ソノラマコミック文庫 2006年発行 全3巻

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以上、『コンプレックス』の紹介でした。ではでは~

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