宝石が好きな人へ 質屋に興味がある人へ 『七つ屋志のぶの宝石匣』

こんにちは。漫画大好き辰巳です。

今回は、宝石大好き!な人へ、質屋ってどんなとこ? という人へ『七つ屋志のぶの宝石匣』を紹介したいと思います。

地球が生み出した神秘の石・宝石。

そんな宝石たちが「預けられ」、「売られる」場所・質屋。

本作は、この二つの世界をコメディ&ミステリー仕立てで知ることのできる漫画です。

イマイチよく分からない世界だけど、知っていて損はない。

宝石と質屋、夢と現実がぐるぐる回る、知ればちょっと自慢できるトリビアにあふれた世界をのぞいてみてください。

あらすじ――宝石をめぐる人々の思惑

さかのぼること10数年前。閉店前の倉田質店に現れた良家の奥様が、なんと子どもを質入れしたいと言い出します。一度は断る店主ですが、とっさに「お預かりの期限を過ぎても迎えに来なければ、うちの孫娘と婚約させます」と、これまたぶっ飛んだ提案をして「預かり」を成立させます。しかし迎えは来ず、子どもは哀れ「質流れ」に。

現在。子ども=顕定はおとなになって一流宝石店に就職し、孫娘=志のぶは高校生ながら「宝石の気が見える」という謎の鑑定眼を持つ質屋の跡取りとして活躍しています。が、婚約の話はというと二人ともどうもあいまいです。

顕定は、自分の家がその後どうなったのか分からず、密かに情報収集をしているという裏の顔を持ちます。唯一の手掛かりは、子どもの頃に見た、家宝の赤い宝石だけです。

一方、志のぶは宝石の「まっくろな気」を見て盗品であることを見抜いたり、「大地の息吹が感じられない」といって合成ダイアと鑑定したり、不思議な才能を発揮します。

宝石をめぐって個性あふれる人々が目まぐるしく出入りする質店の毎日と、顕定の家の謎が絡み合っていきます。

辰巳の感想――質屋はだいたいこんな感じです

実は辰巳の実家は質屋です。

「質屋」の漫画をあの『のだめカンタービレ』の二ノ宮知子が描くということで、連載開始からわくわく期待していました。

そして期待はみごと大満足に。振り切ったコメディセンスで質屋の実態が面白おかしく描かれていますが、困ったことにその描写にウソはほぼありません。や、さすがに子どもは預かりませんが、それ以外はほぼ「質屋あるある」です。いったいどうやって取材したのかと巻末を見ると、全質連こと全国質屋組合連合会の名前がドカーンとあるし。質屋組合も調子に乗ったか、本作のキャラを使ったポスターを作って猛プッシュ。実家に帰ったら顕定と志のぶのポスターが店頭に貼られてて笑ったりと、質屋の間では話題騒然の作品です。漫画の力、おそるべし!

そしてもう一つの主役である宝石に関しては、ダイアモンドの鑑定の大御所・GIAの名前があがっており、作者はそこで講習を受けて本格的に勉強したというからすごい取材力です。宝飾品としての宝石に限らず、鉱物などもマニアックに登場させて、なかなか興味深いうんちくがたくさんあり、勉強になります。まあ勉強しても私は質屋は継がないのでただの趣味ですが。

個人的に一番気に入っているセリフは「質屋のネットワークなめんなよ!」ですね。質屋は同業同士の連携が非常に密で、まさにこのセリフのとおり、強固なネットワークが支えている業界なのです。そういう空気感をさくっと拾ってうまく物語に組み込んでいるのはお見事です。

この作品を機会に、質屋がもっと身近になって、気軽に利用される場所になればいいなと質屋の娘は思っております。ミステリー要素も含め、まだまだ物語は続くようなので、実家ともども応援しています。

あと、質屋の娘のうんちくを一つ。

宝石を見るときは上からではなく、横から見る!のがコツです。横から見てがらっと変わるような石はアブナイです。

作者・二ノ宮知子とは・・・

音大の世界を面白おかしく描いて大ヒットした『のだめカンタービレ』が出世作の代表作ですが、『のだめ』以前にも農家を描いた『GREEN 農家のヨメになりたい』などの作品があり、あまり知られていない「業界」を面白く描くのがうまい人だと思います。

実は『のだめ』開始の際に、次の作品は音大ものか質屋を描きたいといって音大が選ばれたという経緯があったそうですが、まあ質屋はイマイチ押しが弱かったかなと思うに、『のだめ』が先にブレイクしてよかったのかもしれませんね。

「宝石の世界はネタの宝庫」と書いてますが、おっしゃるとおり!です。よくぞこの業界を選んでくれました!と、作者の観察眼に恐れ入っております。質屋が扱う品はは宝石だけではないですが、宝石に絞って描いているのは正解だと思います。

ただ、惜しむらくは連載のペースが遅い! たくさん取材されているのでしょうけれども、新刊の出るペースが遅く、そこだけはなんとかもう一息、と思ってしまいます。

ともあれ、全質連のゆるキャラ・しちまると一緒に応援しています。質屋業界の希望の星としてこれからもがんばってほしい作品です。

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『七つ屋志のぶの宝石匣』

二ノ宮知子(にのみや・ともこ)著

Kissコミックス 講談社 2014年より以下続刊

以上、『七つ屋志のぶの宝石匣』の紹介でした。ではでは~

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