西浦明子スキマハンター軒先株式会社のシェア『FOOT×BRAIN』

(出典 : https://response.jp/article/2018/10/23/315326.html)

今回は、街のスキマをシェアする会社・軒先株式会社の西浦明子さんをクローズアップしたいと思います。

消費からシェアへ――。

現代では、新しいものを買う=消費するのではなく、現在あるものを他人と共有=シェアして活用しようという考え方が広がっています。

自家用車をシェアする「ウーバー」や、自宅の部屋を宿泊に貸し出す「民泊」などが代表例です。

そこでもう一歩踏み込んで、文字どおり、空いてる「軒先」を借りる/貸すことでスキマをビジネスに変えようという、新しいシェアの形を提唱するのが、西浦さんのビジネスです。

屋外の遊休地や、建物内のちょっとした空きスペース、果ては人家の軒先から書店のカウンターまで、そこにスキマがあれば、貸し借りの場として有効活用しようと会社を立ち上げました。

実店舗でビジネスを始めようとすると、敷金や保証料、内装工事費や、数か月分の家賃など、かなりまとまった金額が必要なのが従来の店舗不動産でした。ましてや短期で借りたいというニーズに応えてくれる物件などめったにありません。

そこにビジネスのチャンスを見つけた西浦さんの発想とお仕事を見てみました。

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プロフィール

「スキマハンター」こと西浦明子さんは、1969年生まれ。

大学時代にポルトガルへの留学を経験しており、帰国後はソニーに就職。

のちAll About Japanへ移りましたが、結婚と妊娠を機に退職しました。

子育てをしながら、あらためて仕事をしようとしましたが、40歳を前に会社勤めや組織に属することの限界を感じたそうです。

そこで、つてのあった南米の雑貨を輸入販売しようと考えますが、実際に需要があるかテスト販売をしたいと思い、短期で借りれる物件を探します。

しかし、不動産屋には短期賃貸の物件がほとんどなく、またあっても賃料が1週間で21万円と高額で、手が出なかったといいます。

さらに驚いたのは、そんな高額にもかかわらず、予約で半年先までいっぱい、という物件の状況。そこで西浦さんは需要を掘り起こすことに挑戦しました。

どんなビジネスなの?

(出典 : https://business.nokisaki.com/)

2008年、西浦さんはスキマの貸し借りを仲介するビジネスとして、貸しスペースの登録と、予約~利用ができるサイト“軒先.com”を起こしました。

今より10年以上昔のことですから、シェアという概念もまだ浸透していない時代です。

借りたいという需要はありましたが、最初は貸主を探すことに苦労したそうです。一軒一軒、足を運んで回る地道な営業が続きました。

しかし、遊んでいる場所がお金を産むというシステムが理解されると、供給も需要も一気に伸び、翌2009年には「軒先株式会社」を創業します。

いちばんの魅力は、不動産屋さんが扱っていない物件があることでした。

また、軒先を借りた人たちのビジネスは予想外に多様だったといいます。

ランチの移動販売や、八百屋さん、花屋さんといった商売の人から、個人でカブトムシの販売をする人や占い師、さらには書道の展覧会を開いた人もいたそうです。

そして、特に力を入れたのが、2012年に始めた「軒先パーキング」という、駐車スペースのシェアでした。

自宅の庭先や駐車場、マンションの管理駐車場、月極やコインパーキングで空いている駐車スペースを登録して貸し出し、利用者がそれを予約・利用するビジネスです。

主に、観光地やイベントホールなどの周辺で駐車場の不足に悩んでいるところをターゲットに貸主を探し、借りたい人がそこを予約して駐車場を事前に確保できるという方法がヒットしました。

賃料は?

大人気アーティストのライブや、スポーツ大会などがあると、会場の駐車場はあっという間に埋まってしまいますし、そもそも車での来場を断るところも多いですよね。

ここに目をつけて軒先株式会社が周辺に営業をかけ、ライブの前日~当日だけ貸してほしいと交渉します。

人気の高いアーティストなどの場合、1日2万~25,000円の貸し出し料金を付けてもあっという間に借り手が見つかるそうです。

結果、個人がイベント期間中に庭先を貸すだけで、10万円ぐらいの収入が簡単に実現するといいます。これは確かにおいしいビジネスですね。その上、借りる方もあらかじめ予約が取れるわけですから、当日は安心して車で来ることができるという、借り手にも大きなメリットとなっています。

この駐車場の貸出料金の設定には、イベントの規模や周辺の相場、車内で蓄積したデータをもとに、目利きのスタッフが決めるそうです。意外と職人技なんですね。

他にも花見で1週間だけにぎわう名所や、1日だけ大混雑する花火大会などで駐車場を確保することで、周辺の混雑や渋滞、迷惑駐車などを回避・解決できる点は、自治体にとってもありがたい存在なのだそうです。

他に、サイト上にアップされている実際の案件を見ると、

東京日暮里駅前の駐車スペース 3,000円/日

住宅街の一軒家の軒先 2,000円/日

大阪参画公園前のレンタルスペース 12,000円/日

渋谷センター街の軒先 205,010円/日

と、場所によって料金はさまざまです。また、30日単位でのレンタルもありました。ここから軒先株式会社がマージンを取り、仲介するのです。

ちなみに最安値は書店の店内にあるカウンターで145円/日だとか。告知のチラシなどを置くスペースとして活用されているそうです。

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現在~展望

現在、軒先株式会社に登録されている物件は2,500か所以上。

シェアの概念が広がるのと合わせてサービスも認知されてきたといいます。

2009年にはベンチャーフェアJapan2009で最優秀賞も受賞しました。

駐車場ビジネスが渋滞や迷惑駐車といった社会問題の解決につながるなど、遊休スペースの活用は「新しい人の導線」を創り上げてきたと、西浦さんは実感しているそうです。

さらには、商業スペースの活用として、レストランなど、店舗のレンタルビジネスも視野に入れています。

多くの人が、リスクの少ない安い賃料でビジネスを始め、さらに大きな夢を実現させる、その第一歩を提供し、広めていきたいと考えているそうです。

まとめ

今はインターネット上にタダでお店が出せる時代です。

一方でリアル店舗への敷居の高さは変わっていません。

この中間になるような、ちょっとしたスキマをちょっとだけ借りれる業態があれば、個人のビジネスの可能性は大きく変わると思います。

私自身、ネットでモノを売っていますが、ネット上では簡単なことが、実店舗ではできないことに歯がゆい気持ちを持っていましたので、この軒先ビジネスの可能性に大いに期待したいものです。

同時に、シャッター商店街や、空き家問題など、現在の日本で問題視されていることに、この軒先ビジネスは一つの回答を出せると思います。

これまで、「場所」の賃貸は不動産屋という業態が独占していました。

しかしこれからは、そうした既存の大規模な組織や煩雑な慣習を間にはさまず、ネット上の出会いから生まれる、シンプルな「人のつながり」がもっと増えていくと思います。

今までのハードルを下げ、流動性をもつことで、その場所に活気を生むことができるはずです。期待したいと思います。

以上、スキマハンターこと西浦明子さんと軒先株式会社の紹介でした。ではでは~

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