おてらおやつクラブで子どもの貧困支援『フューチャーランナーズ』

今回は子どもの貧困問題に立ち上がったお坊さんの活動「おてらおやつクラブ」をクローズアップしたいと思います。

おやつどころか日々の食事にも事欠く子どもたちがいます。ギリギリの状態で暮らしている単身親世帯があります。

一人のお坊さんがそのことに気づき、仏教徒として慈悲の心でできることをしたいと立ち上げた活動は、今どんな実践をしているのでしょうか。

そして、活動の本当の目的は、ただおやつや食事をあげるだけではありませんでした。

活動の真の目的を多くの人に知ってもらいたいと願います。

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おてらおやつクラブの誕生

子どもの7人に1人が貧困状態にあるという統計がある現在の日本。

貧困が注目されたきっかけは、2013年に起きた、大阪市での母子餓死事件でした。

この豊かな日本で餓死する親子がいることに、奈良県の安養寺住職の松島靖朗さんはショックを受けました。

一人の仏教徒として、お寺が子どもの貧困問題に対し、できることがあるのではないか。

松島住職は、お寺にはお供え物がたくさんあることに注目します。仏さまに上げた食べものを、困窮している人に「おすそわけ」として配ることはできないか。

こうして同年、特定非営利活動法人「おてらおやつクラブ」が誕生しました。

(出典 : https://otera-oyatsu.club/)

集まったお菓子や果物を、一度仏さまにお供えし、読経したのち、「仏さまからのおさがり」とし、支援団体や子ども食堂などへと送る活動が始まりました。

しかしすぐに、安養寺だけの支援ではぜんぜん足りないという状態になり、松島住職は他の寺にも協力を呼びかけました。

「まずは、ごはん!」を合言葉に、困窮している親子をサポートする活動が拡大し始めたのです。

活動は、協力する各寺が、檀家さんや地域の人からボランティアをつのり、ました。

送料はお寺から、あるいは寄付から出すので、受け取る人に負担はありません。

2017年には特定非営利活動法人化もしました。

現在ではおやつだけでなく、文房具や、換金できる古本の寄贈なども受け付けているそうです。

支援は宗派を超えて

支援は、寺の宗派を問わず広がっています。それぞれの地域の寺が、同じようにお供え物を「おさがり」として、地域の支援団体へと届ける活動を始めました。

2019年現在、参加している寺院は1174か寺となり、提携する支援団体の数も400を超えているそうです。

そして何より、支援を受けた子どもの数が月間1万人を超えているそうです。

参加したいお寺や、受取をしたい支援団体は「おてらおやつクラブ」の公式サイトにて受け付けています。

現在は、活動の様子を紙芝居やパネルシアターで紹介するなど、広く認知してもらうためのイベントも開かれています。

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グッドデザイン賞受賞

(出典 : https://ja-jp.facebook.com/oteraoyatsu/)

「おてらおやつクラブ」の活動は、2018年度グッドデザインの「グッドデザイン・ベスト100」ならびに大賞を受賞しました。

お寺が支援団体と手を組み、地域の身近な人を助ける。それはお寺が全国にあるからこそできること。

既存の組織・人・ものがつながることで新しい支援の形ができる、この活動のあり方が、ひとつのデザインとして機能していると評価されての受賞でした。

2019年4月には受賞を記念して、東京丸の内にあるGOOD DESIGN Marunouchi にお寺が出向。

ホールに仏さまを安置し、お供え物を乗せる三宝をそなえて「別院」とし、期間限定の「お寺」となって、お供え物を募ったり、仕分けや梱包を体験するワークショップなどを開催しました。

観覧やワークショップなどへの参加は無料でしたが、お菓子などの食品や文房具、古本などの「おそなえもの」を持ってきてくださいと呼びかける、ユニークなイベントとなりました。

活動の本当の目的とは?

食べものや文具を送る「おてらおやつクラブ」の活動では、個々の家庭に直接ものを送ることは基本的にしていないそうです。そこにはこの活動の真の目的がありました。

貧困の状況は自己責任論では片づけられない、深刻な問題です。

何より問題なのは、国や自治体が行なうさまざまな支援が、本当にそれを必要としている人の元へ届かない現状なのです。

食事も買えないほど貧しい、ということを人に言うことは大変難しいことです。周りに「助けて」と言うのはとても大変なことなのです。

また、貧困家庭の親は、ダブルワーク、トリプルワークなどで疲弊し、役所などに相談する余裕もありません。

そんな人たちに、「おてらおやつクラブ」を知ってもらい、地域の身近なところで物資を受け取れるようにすること。

それは、同時に支援団体に貧困を発見してもらうこと、行政の手が差し伸べられるよう、助けられることにつながります。

見えない貧困を見える貧困へ変える。だから物資の発送は支援団体あてであり、困っている人はその団体へアクセスすることでSOSを出せるようにする。これが本当の目的なのです。

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まとめ

この21世紀に寺という宗教施設、仏教という宗教が何をすることができるか。

全国にあるお寺をインフラとしてとらえ、地域の福祉に役立てることはできないか。

一人のお坊さんの心が、多くの賛同者を得て広がっていることに、仏教界だけでなく、この社会のあり方を考えさせられました。

何より印象的だったのは、支援を受けた子どもの言葉です。

「お坊さん、クリスマスカードをありがとう」

慈悲の心は宗派どころか宗教をも超えて、子どもに寄り添っているのですね。

以上、こどもおやつクラブの紹介でした。ではでは~

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