猟師 サバイバル 狩猟に興味のある人へ『山賊ダイアリー』

こんにちは。漫画大好き辰巳です。

今回は現役の猟師である作者による、わな猟・銃猟での狩猟とサバイバルの日々を描く『山賊ダイアリー』を紹介します。

この漫画のおかげで猟友会に若い人が入ってきたという、猟師の世界を変えた作品です。

カモやウサギ、ハトやカラス、果てはシカや巨大なイノシシといった獲物たちに果敢に挑む、まさに動物との知恵比べの猟師生活がコミカルに描かれています。

ライフルを使っての銃猟、わなを使ってのわな猟を行うには、警察の発行する狩猟免許が必要ですが、その免許の取得までの道のりや、銃を所持するまでの手続きなども詳細に描かれており、猟師入門のハウツー的に読むこともできます。このあたりのエピソードを読むと自分も猟に行きたくなります。

狩猟というと、都市に住む人間にとっては遠い話かもしれませんが、人の食べる肉は生きていた獣や鳥だったわけで、それらの命をいただいて人間が生きているという事実は決して変わらないわけで・・・という壮大なテーマかと思いきや、思わず笑ってしまうエピソードの数々にあきれたり、取った獲物を自分で解体して食べるジビエの世界も分かりやすく描かれていて、いつ参考にするのか分かりませんが、サバイバルの知識も身につく漫画です。

あらすじ――面白い?猟師ライフ

岡山県の田舎に住む主人公・岡本は、狩猟免許を取ったばかりの若い猟師です。

相棒のエアライフル・エースハンターと、自家製のわなを手に山へ池へ繰り出して獲物を追います。

しかし銃のスコープがずれててあさっての方向に弾が行ってしまっり、カラスに出し抜かれたり、しかけたわなのわずか10センチ横をイノシシが踏んでいたり、猟はなかなかに難しいようです。それだけに捕れた時の喜びは大きく、知恵と勇気が報われる瞬間です。

同年輩の狩猟仲間や、高齢化の進む猟友会のベテラン漁師たちとともに、岡本は猟期の間は自給自足に近い猟師ライフを送ります。取った獲物は必ず食べる、という自らのおきてに従い、カラスを食べてみたり、撃ち落としたカモを拾うために真冬の湖に裸で入ったり、シカが大量に捕れても猟師仲間の間でシカ肉は人気がなかったり、ジビエも一筋縄では行かないようです。

しかし獲物の王者・イノシシとなると話は別で、捕るのはものすごく大変だけど、肉は高額で売れるなど、猟の世界の面白さが詰まっている「ダイアリー」です。

辰巳の感想――猟師入門、サバイバル入門

この漫画を読むと、「狩猟をやってみたい!」と思う人が、私も含めてたくさん出る、そんなパワフルな作品です。わくわくドキドキしながらも、思わず笑ってしまう猟師生活・サバイバル生活が非常に詳細に描かれていて、それだけでも十分面白いのですが、物語のハイライトの一つは自分の食料を自分で調達する、猟という行為のまっすぐさだと思います。それこそ原始の時代から人間は狩りをしてきたわけで、狩猟はある意味問答無用、ブレのない世界です。読み進めていくうちに「自分もやってみたい」と思わせるのは、都市に住む人間の悩みなんて吹き飛ばす力が猟にはあるからではないかと思います。

また、山でのサバイバル入門としても本作は面白く読むことができます。食べられる実や植物、火をおこすための技術、離れた仲間との通信方法、山で迷ったらどうするか、山でけがをしてしまったらどうするか、作者の知識は広く深く、実践的なものばかりです。キャンプなどでも応用の利く知識も多く、とても興味深く読むことができます。

もう一つの面白さは、主人公の猟師仲間たちです。皆さん実に面白く、また知識にあふれ、冷静かつ勇敢に獲物に立ち向かう。それはもう個性的な人たちが次から次へと登場します。どこまでが実話でどこからがフィクションなのか、もし全部実話だったらすごすぎる! そんな人たちのエピソードが、面白おかしく、時にしんみりと描かれ、猟をする人間の側の物語も豊かな作品だと思いました。

ただし、冒頭のエピソードにあるように、狩猟は女性には理解されにくい、という主人公の悩みは切実かもしれません。付き合っていた女性に「生き物を殺すなんて野蛮だ」と言われる主人公や、ガレージで獲物の解体作業をしてたら奥さんに怒られ蹴られた仲間の話など、狩猟と女性の相性は良くないようです。私は面白いと思うのですが、狩猟は男性の世界なのでしょうか。最近は「狩りガール」という言葉も出てきたようですが、まだまだ少数派なのかもしれません。

作者 岡本健太郎とは・・・

物語の主人公にして作者の岡本氏は漫画家兼現役の猟師さんです。

春から秋までは漫画を描き、冬の猟期には休載して猟をしているようです。

本作は全7巻ですが、夏の間に海でサバイバルする日々を描いた『山賊ダイアリーSS』も出版されました。山だけでなく、海の知識もそうとうな作者、只者ではありません。

その知識を生かして、女子高生たちが無人島でサバイバルする漫画『ソウナンですか?』では原作を手掛けています。もはやサバイバルオタクの領域か?と思いますが、覚えても実際に使いたくはない、というかここまで追い詰められたくないというテクニックも紹介されていて、こちらも面白いです。

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『山賊ダイアリー』

岡本健太郎(おかもと・けんたろう)著

イブニングKC 講談社 2011~16年発行 全7巻

番外編『山賊ダイアリーSS

イブニングKC 講談社 2017年発行

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以上、『山賊ダイアリー』の紹介でした。ではでは~

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