1冊で起承転結!映画みたいな漫画が読みたい人へ『ZIG(ジグ)』

こんにちは。漫画大好き辰巳です。

今回は1冊でスカッ!と見事に完結する、映画みたいな漫画『ZIG(ジグ)』を紹介します。

何十巻もあるような超大作もまあいいんですが、1巻から集めることを考えるとちょっととっつきにくいですよね。

『ZIG(ジグ)』は、1巻で起承転結、きっちり完結、まるで一編の映画のような漫画です。

舞台は香港。日本人の主人公・ジグこと桐生甚吾が国際的な事件に巻き込まれる、サスペンス・アクション物語です。

あるようで意外と少ない漫画として、お勧めしたいと思います。

あらすじ――国際問題に巻きこまれるジグ

時は現在。ジグは香港の小さな銀行でガードマンをしています。地元の人が利用する、なんてことのない銀行でしたが、ある日、銀行強盗に襲われます。

彼らはとある貸金庫の中身を強奪していくのですが、この事件にイギリスの諜報部が絡んできます。

強盗たちの正体はクロアチアの元軍人・通称「大佐」とその部下たちで、現在は中国に雇われている闇の工作員。銀行強盗はチベット独立派が利用する情報交換の拠点をつぶすためだったと分かります。

チベットの独立運動を非合法な手でつぶすべく大佐たちを利用する中国に、国際指名手配犯としての大佐を追うイギリス情報部が絡み、水面下の攻防が始まります。イギリスの諜報部員は大佐の身柄を拘束し、チャーター機で香港の外へ連れ出す計画を立て、そこでジグの経歴に目を付けます。

ジグは元・自衛隊の特殊工作員、さらにフランス外人部隊にも所属していた――そんな彼をユニークな「民間人」として利用しようとします。

タイムリミットは24時間。その間大佐を拘束し、無事にチャーター機に乗せることができるのか。「関係ない」といったんは断ったジグが高額の報酬を条件に仕事を引き受けたのはなぜか。

拘束する者とされる者、二人の間になにが起こるのか――

辰巳の感想――昔の自分と戦争

実は私は個人的に香港という土地が大好きで、この漫画は舞台が香港ということと、原作が『マスター・キートン』の長崎尚志ということで買ったのですが・・・まあみごとにストライクでした。

自由主義と共産主義がぶつかる香港は謀略のるつぼであり、各国の思惑が絡み合う危険な街でもある。。。本当かウソかは別として、まああの香港ならこのくらいの「事件」はあるんじゃないかと思わせる場所です。

そして主人公のジグの設定が素晴らしいです。自衛隊員として、日本の戦略の矛盾を背負ってしまった過去を持つ、影のある男ですが、凄惨な事件と自らの経験から引き出した答えは「何があっても人は殺さない」というものでした。大佐は彼を、戦場を知らない甘いヤツと見ますが、話をするうちに見方が変わり、「君は昔の私に似ている」と言います。

昔の大佐と今の大佐はどう違うのか、なぜ違ってしまったのか。

タイムリミットを前に大佐の部下たちの急襲にあうジグですが、何としてでも大佐を生かして国外に連れ出すことに奮闘します。

やがてやってくるチャーター機ですが、滞在していられるのはたったの10分だけ。

しかしその最後の10分に、大佐の心が大きく変わります。

ジグという人間に出会って変わった大佐が最後にジグに告げた言葉は意外なものですが、ジグという男の信念と、大佐の持つ信念が交差して現れた、非常に人間味あふれるものでした。戦争という地獄を知る二人がたどりついた「答え」と、クライマックスで大佐が取った行動にぐっときて、しかし決して唐突でなく最善の道であったことが素晴らしい結末を呼びます。

また、登場するさまざまな武器がリアルなのも特徴でしょう。現実にある銃器がほとんどそのままに描かれているので、ガンマニアにはたまらんと思います。物語を支えるリアリティの確かさも本作の特徴だと思います。

作者 原作・長崎尚志と猿渡哲也

原作者の長崎尚志(ながさき・たかし)はあの『マスター・キートン』の原作者として有名です。国際的な謀略や陰謀を非常にリアルに表現する人として、漫画界の貴重な人材だと思います。また、リチャード・ウーはじめ複数のペンネームで推理ものやサスペンスなどの原作もしています。さらには小説も発表しており、殺人事件を追うマンガオタクが主人公の『醍醐真司の博覧推理ファイル』シリーズや、警察物の『パイルドライバー』などを精力的に発表しています。どれも設定や背景が非常に緻密で、いったいこの人はどこでこういうネタを仕込んでくるんだろうと思ってしまうくらいです。『ZIG』も実に彼らしい作品だと思います。

作画担当の猿渡哲也(さるわたり・てつや)は『高校鉄拳伝タフ』が代表作ですが、未読ですみません。様々な武術をリアルな筋肉の描写で描く人ということで、『ZIG』でも中国武術などを描きこんでいます。

書籍情報

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『ZIG』(ジグ)

長崎尚志原作・猿渡哲也作画

グランドジャンプコミックス 集英社 2017年発行 全1巻

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以上、ハリウッド映画みたいな物語、『ZIG』の紹介でした。ではでは~

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