(出典 : http://inseidou39.naganoblog.jp/e1434872.html)
今回は、『料理の鉄人』でも
勝利した日本料理界の重鎮にして
「四季の彩 旅篭」館主の
太田忠道(おおた・ただみち)さんを
クローズアップしたいと思います。
ユネスコの無形文化遺産にも
なった和食は、今や世界に
羽ばたく日本文化。
太田忠道さんは、その和食を
世界レベルで広め、次世代に
継承するべく奮闘する料理人です。
また、宿泊施設
「四季の彩 旅篭(はたご)」
館主として、最高の料理を最高の
おもてなしで提供する人でもあります。
日本文化をしょって立つ、
その活動ぶりを見てみたいと
思います。
プロフィール
太田忠道さんは、1945年生まれ。
集団就職で東京に出るはずが、
途中の大阪で板長の兄を訪ね、
そこで出されたまかない料理の
おいしさに感激。
なんと上京をやめてその店に
修行に入ったそうです。
1968年には出身地の兵庫県に
戻り、23歳の若さで
有馬グランドホテルの副料理長を
務めます。
さらに、1981年には有馬グランド
ホテルで総料理長に就任します。
2002年に有馬グランドホテルを
退職後は、有馬温泉街に料理旅館
「四季の彩 旅篭」を立ち上げて独立。
2004年には黄綬褒章受章。
2012年には瑞宝単光章受章など、
公式に認められた功績も数多く、
現在に至ります。
『料理の鉄人』で勝利
1995年には、『料理の鉄人』に出演。
フレンチの鉄人・坂井宏行を
タコ料理対決で破っています。
当人はフレンチとの異色対決でしたが、
その後「太田軍団」を立ち上げて、
弟子をあまた引き連れて再登場。
弟子を何人も「刺客」として
送り込んで、三代目和の鉄人・
森本正治と再三戦いました。
1998年には、「百万一心味
天地の会(ひゃくまんいっしんみ・
あまつちのかい)」を結成。
のぼりまで立てて大人数で出演。
神田川軍団に続く和の強敵として
番組を盛り上げました。
まあ、実際のところは弟子を
修行させる目的だったのでしょう
けど、NY帰りの三代目・
和の鉄人に対抗して、純和風の
お手本のような料理を繰り出し、
和食の伝統文化をおおいにPR
したのが印象的でした。
有馬温泉 「四季の彩 旅篭」
(出典 : https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/111249/gallery.html)
前菜12坊
2002年に独立、自らが館主となって
立ち上げた「四季の彩 旅篭」は、
宿泊施設を備えたダイニングで、
温泉とともにゆったりとくつろいで、
料理を楽しめる、いわば和の
おもてなしを空間丸ごとで
デザインしたところです。
有馬温泉は古くからの伝統的な
場所柄、どうしても高級路線の
店が多いですが、その中にあっては
良心的な価格帯となっているようです。
また、宿泊でなくとも、お手軽に
料理だけを楽しめる
「日帰り昼食プラン」
(2名利用時 6,945円/人)があるのも
さらに良心的。
お泊りの「女子会プラン」
(2名利用時 17,593~21,297円/人)では、
3人利用で割安になるところも
良いと思います。
(3名利用時 16,667~20,371円/人)
浴衣の貸し出しサービスや、
アメニティ巾着やパックシートの
プレゼントもあり、なかなか
力が入っています。
夕食は大田忠道監修『特別美容会席』。
美は食にありという感じで期待が
高まります。
さらに、「鉄人料理プラン」
(2名利用時 21,760~23,612円/人)では、
板前さんが目の前でサービスしてくれる、
名物「雲海鍋のすき焼き」が見せ場です。
砂糖の代わりに綿菓子を乗せて雲海に
見立てた豪華でユニークな
メインディッシュです。
雲海鍋コース
(出典 : https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/111249/gallery.html)
前菜12坊として、小さな前菜が
12種類もあるのも、いかにも
和食らしい「おいしいものを
ちょっとずつ」の精神ですね。
こちらのコースではお土産として
太田忠道さん特製の
胡麻ドレッシングが
もらえるそうです。
お土産付というのも、いかにも
和のおもてなしで嬉しいです。
加えて、ネットの口コミを見たところ、
特に小さいお子さん連れの人の
評価がとても高いのが印象に
残りました。
乳幼児連れでフランス料理はちょっと
無理ですが、「四季の彩 旅篭」では
子どもにも配慮してもらえて、
ご両親も豪華な食事を楽しめると
いいますから、なかなかない穴場だ
と思います。
リフレッシュしたいお母さんにも
ぜひお薦めしたいですね。
なんとお風呂も畳敷きといいますから、
ハイハイする子どもでも安心できる
と思います。
(出典 : https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/111249/gallery.html)
『百万一心味 天地の会』結成
太田忠道さんは自らの店だけ
でなく、若い職人の指導や、
和食の技術の承継にも力を
注いでいます。
『料理の鉄人』の出演時に結成された、
「百万一心味 天地の会」は、
自らの弟子をはじめ、日本中の
料理人の交流を目的として
作られた会で、太田忠道さんが
会長を務めています。
全国700人以上の会員を抱え、
ふだんはなかなかない、
料理人の横のつながりを作って、
勉強会や情報交換の場と
しているそうです。
太田忠道さんが名付けた
「百万一心味」には、多くの人が
力を合わせ、交流することで、
より良い味を出すことができる、
お客を喜ばせることができる、
という意味だそうです。
日本料理界への貢献
和食の料理界は、以前は厳しい
徒弟制度のもと、閉鎖的なもので
あったと言います。
しかし、太田忠道さんは、
若い後継者のために自らの
持つ技術を積極的に発信しています。
和食に関する専門書を多数出版。
専門知識をオープンに伝えています。
また、料理に限らず、おもてなしの
技をまとめた本も出版されています。
料理に満足してもらうための
おもてなし全般が紹介されています。
そして、動画で解説するDVDも発表。
より分かりやすいテキストとして
世に出すことで、和食文化を
次世代につなげています。
『プロのための和食調理の包丁技術』
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熱意は、国内にとどまらず、
世界へと積極的に進出されています。
海外で日本食を広めるための
出張講習会を多く手掛けており、
世界中に和食の味と技を伝えています。
2018年には、農林水産省によって
「日本食普及の親善大使」を任命され、
現地の職人に和食の技術や魅力を
アピールする活動にも注力しています。
まとめ
『料理の鉄人』では、
和食の太田軍団として
鉄人に次々と刺客を送りこみ、
戦いを繰り広げる、悪役っぽい
ポジションに立っていた
太田忠道さんですが、実際には
弟子たちに経験を積ませるために
継続的に出演するための演出
だったようです。
その中から実際に「天地の会」と
いうグループが生まれ、和食の
世界に連帯や技術の継承などの
貢献をしていたのですから、
まさに和食会の重鎮という
言葉がふさわしいでしょう。
ユネスコの登録を受けて、
世界中に「和食レストラン」が
できていますが、中身を見ると、
日本人の目にはびっくりする
ような店がまだまだ多いようです。
そういうところへ本物の和食を
伝えることが、今の日本人には
必要であり、太田忠道さんは
その道を積極的に奔走している
のです。こういう方がいることが
和食界の財産だと思いました。
以上、和の料理人にして、
「四季の彩 旅篭」館主の
太田忠道さんの紹介でした。
ではでは~
日本料理の達人・神田川俊郎さんの
記事はこちら。
イタリアンの鉄人・
神戸勝彦さんの訃報はこちら