性犯罪者に対する化学的去勢とは?実施国とその方法・効果はあるか

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(出典 : https://news.nicovideo.jp)

12月18日、元TBS記者の山口敬之から

性被害を受けたとしてジャーナリストの

伊藤詩織さんが起こしていた民事裁判で、

伊藤詩織さんが勝訴しました。

悪質な性犯罪が繰り返される中、

性犯罪の厳罰化を望む声や、

性犯罪者に対する去勢を論じる

声が上がっています。

すでに法制化して去勢を行って

いる国もあります。

そこで、薬物を使用する化学的去勢

ついて、実施している国の事情や、

その効果、あるいは限界とともに、

日本での導入に関する意識調査を

見てみました。

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化学的去勢とは

化学的去勢とは、薬剤の投与・

服薬によって、男性ホルモンの

一種のテストステロンを抑制し、

性欲を減退させるものです。

抗男性ホルモン薬と呼ばれる薬の

MPA(メドロキシプロゲステロン

酢酸エステル)が使用されます。

このMPAは、避妊薬の一種として

一般に販売されているものでもあり、

去勢専用の薬ではありませんが、

投与中は男性ホルモンを抑制します。

投与をやめれば男性ホルモンは

元に戻るので、恒久的な去勢、

あるいは断種には至りません。

化学的去勢を実施している国

現在、化学的去勢を実施している国と

地域は、アメリカの8つの州と、カナダ、

ドイツ、オランダ、ポーランド、スイス、

デンマーク、スウェーデン、フィンランド、

ノルウェー、モルドバ、韓国です。

いずれの国でも、刑事罰ではなく、

治療という前提に立っており、

身体を欠損する刑ではないとしています。

アメリカでは、性犯罪者本人の

希望に対して行われる場合と、

懲役刑との自由選択で行われるもの、

あるいは刑務所からの出所の条件として

化学的去勢を課している州があります。

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化学的去勢の方法

化学的去勢は、上記の薬剤・

MPAを注射、あるいは錠剤の

服用によって投薬します。

これにより、男性ホルモンが減少、

睾丸が委縮し、性腺の機能を

停止させ、性衝動を抑えます。

化学的去勢の効果と限界

化学的去勢を施された受刑者の

中には、「人生が変わった」と、

その効果を実感する者もいると

いいます。

アメリカ・オレゴン州の調査では、

化学的去勢を受けなかった

性犯罪者の再犯率が20%近かった

一方で、化学的去勢を受けた人

からは再犯者が出なかったという

データもあります。

また、日本でも行われている、

認知行動療法という心理学的

治療よりも効果が大きかったと

いいます。

韓国でも、化学的去勢によって、

性的欲求が大きく抑制された

という結果が出ています。

反面、化学的去勢の限界も

あります。

性犯罪というものが、性欲よりも

むしろ支配欲やコントロール欲

基づいていることが多く、

そうした犯罪者に対し、性欲を

抑えても完全な抑止にはなりえ

ないというものです。

こうした事例には、前述の

認知行動療法による、

認知=考え方の歪みの是正の

方が有効と言われています。

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化学的去勢の日本での導入に対する意識調査

化学的去勢は、すでに複数の国で

導入されていますが、日本での導入は

ありえるのでしょうか。

しらべぇ編集部が、全国20〜60代の

男女1,664名を対象に行った

意識調査では、

男性の55%、女性の67%が性犯罪者の

化学的去勢に賛成するという結果が

出ました。

年代別では、男性がすべての年代で

5割台の賛成を得ており、

40代が最多でした。

女性は年齢にかかわらず6割台が賛成で、

特に30代では74%が賛成しています。

さらに、回答者を子どもを持つ人に

限定してみると、化学的去勢

賛成する割合が男女ともに増加して

います。

20~30代女性でとくに80%に上る

のは、未成年者への性犯罪に対して

厳罰化を望む声と言えるでしょう。

(出典 : https://news.nicovideo.jp)

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厳罰化と被害者保護を

アンケートでは賛成が過半数となった

化学的去勢ですが、日本で導入される

ようになるかどうかは未知数です。

精神科医の香山リカさんのように、

明確に反対を表明している心理学者も

います。

しかし、そもそも立件自体が非常に

難しく、被害者がセカンドレイプに

さらされる日本の現状では、まずは

立件のハードルを下げることが

急務でしょう。

その上で、有罪となった性犯罪者に対し、

化学的去勢を行うか否かを考えるのが

順番ではないかと思います。

勇気をもって、大きな困難に立ち向かい、

声を上げる被害者が、無理解なバッシングを

受けたり、人格を貶められたりすることの

ない社会を強く望みます。

以上、化学的去勢とその是非に

ついてでした。

性犯罪の刑が軽い?

去勢できない理由に

ついてはこちら

性犯罪・性嗜好障害とは?

治療法や料金は

『ETV特集 性犯罪をやめたい』

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