(出典 : https://www.jprime.jp/articles/-/11364)
今回は、元ミスター日本
ボディビルダーにして、
「筋肉博士」の、現東大教授・
石井直方(いしい・なおかた)さんを
クローズアップしたいと思います。
東大教授として筋肉の研究に
打ち込むかたわら、
自らムキムキのマッスルで
ミスター日本にもなってしまう、
まさに文武両道の石井直方さん。
しかし、その半生には、
ステージⅣのがんを宣告され、
厳しい治療に耐えた時も
あったそうです。
そんな石井直方さんが、
がんを克服され、その後
どのように研究を続けているのかに
ついて調べてみました。
プロフィール
石井直方さんは1955年生まれ。
東大での研究は、ズバリ筋肉。
日本を代表する筋肉研究者として
第一線で活躍され、多数の著書も
出版されています。
そして研究を生かして、こちらも
日本を代表するボディビル選手、
パワーリフティング選手として
数々のコンテストで優勝を
さらってもいます。
東京大学教授でありながら、
ボディビルダー、
パワーリフティング選手でもある、
まさに頭も体もスゴイ人です。
ボディビルダーの頂点・ミスター日本
ボディビルとの出会いは、
東大に入学してからという
石井直方さん。
ボディビル&ウェイト
リフティング部に
入部し、あっという間に
トップ選手になりました。
1975年から学生大会で6連覇。
1977年には全日本学生ボディビル
選手権優勝と、輝かしい受賞歴が
続きます。
大学院に進学してもボディ
ビルは続け、1978年から
東京ボディビル選手権大会、
通称ミスター日本で入賞を重ね、
1981年にはついにタイトルを
獲得しました。
当時の動画が↓です。
・・・『北斗の拳』ですか?
と思ってしまうみごとな筋肉美に
圧倒されますね。しかも東大の
院生って、頭も体も恵まれ
まくっています。
↑優勝トロフィーと、
奥は石井直方さんの写真
(出典 : https://www.asahi.com)
さらに海外にも進出し、1982年には
アジアボディビル選手権に日本代表
として出場してみごと優勝。
1986年には世界ボディビル選手権
大会・通称ミスターユニバースで
7位を獲得したそうです。
まさに筋肉美の日本代表として、
世界で活躍されていたんですね。
東大教授のイメージががらりと
変わってしまいました。
研究の専門は、身体運動科学、
筋生理学、トレーニング科学
だそうですので、一応筋肉つながり
ではありますが、しかしここまで
実践する人はまれでしょう。
悪性リンパ腫のステージⅣで末期がんと判明
体も頭脳も人一倍の
石井直方さん。
もちろん自身の健康には
自信があったといいます。
当然ですね。
しかし、2016年、61歳の時に
思わぬ形でそれが崩れました。
なんと悪性リンパ腫の末期がん
であることが分かったのです。
「青天のへきれき」と本人が
言うとおり、それまでの
「頭も体も世界レベル」だった
人生とは正反対の、
末期がん患者になって
しまったのです。
すぐに入院・治療の日々が
始まりました。
治療は大量の抗がん剤を
使用するもので、無菌室に
入るほど厳しいものだった
そうです。
それでも石井直方さんは
耐え抜いて、のちに骨髄
移植を受けて回復、
末期と言われた状態から
みごと立ち直りました。
そのことを考えるとき、
石井直方さんは
やはり鍛えていたことで
治療に耐えられたのかなと
思うそうです。
体力が気力を引っ張り、
前向きに治療に取り組めた
ことは大きかったといいます。
さらに、無菌室の中では、
自ら開発したスロー
トレーニングをするほど
元気だったとか。
(出典 : https://www.asahi.com)
がんを克服して石井直方さんの
生活は大きく変わりました。
まず睡眠時間を増やしたこと。
それまでは、睡眠時間を削って
仕事をしていましたが、
今は7時間しっかり寝ることを
心掛けているそうです。
そして極力ストレスを遠ざける
ことを心がけ、意識的に
リラックスするようにも
なったとか。
頭も体もすべてがんばりすぎて、
それが習慣になっていたのを改め、
規則正しい生活習慣を身に
着けたそうです。
がんになる前よりもかえって
健康的になったうえで、
適度な運動を行っていると
いいます。
筋トレブームとスロトレの提唱
筋肉の研究の世界では、
「筋肉を鍛えると頭も
よくなる」
と言われ始めているそうです。
特に、超高齢化社会の日本では、
「筋肉は老後の健康寿命を
左右する」
という見方が一般的になっています。
筋肉量の少ない人は寿命が短い、
あるいは認知症の発症率が高い、
といった研究結果も出ているとか。
やはり適度に体を動かすことが
重要で、動いて脳に情報を
送ることが、脳の活性化に
つながっているというのです。
石井直方さんは、
この超高齢化社会では、
国が率先してメタボ予防、
生活習慣病予防のための運動を
勧めるべきと提唱しています。
特にスロートレーニングや
早歩きなど、低負荷の
トレーニングの普及に力を入れています。
筋肉は裏切らない?
筋トレブームの昨今、
「筋トレは人生のあらゆる
ことに好影響を及ぼす」
という考えが広まっています。
石井直方さんはそれは極論と
言っていますが、
老後を考えるまでもなく、
やはり筋肉は鍛えるべしと
思うのが、普通の人の実感だ
とも感じます。
現代社会の中では、筋力を
使わない生活が
「普通」になっているので、
そこは意識的に「鍛える」
ことが必要なのかもしれません。
ただし、筋トレしても東大教授には
なれそうもありませんね。
以上、石井直方さんの紹介でした。
ではでは~