デヴィ夫人の発言で判明する避妊・中絶後進国日本の手術は40年遅れで無知と女性の安全軽視

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(出典 : https://news.yahoo.co.jp

デヴィ夫人の「不妊は9割9分中絶の

せい」というトンデモ発言が大炎上

しています。

デヴィ夫人は80歳。残念ながら

妊娠や中絶についての知識はアップ

デートされていない、情報弱者

なのでしょう。

しかし、デヴィ夫人の発言に

傷ついた多くの人もまた、

日本という国が妊娠や中絶、

不妊については国際的にみて

40年以上後れている事実を

知らなければならないと

思います。

ピルの承認に34年もかかった反面、

バイアグラはたったの6か月で

承認されるような国はほかに

ありません。

私たちは、私たち自身がいかに

情報弱者であるか、そしてはっきり

言って無知であるかについて事実を

知らなければならないのです。

そのきっかけになったとしたら、

デヴィ夫人の老害も糧に変える

ことができるはずです。

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デヴィ夫人の発言

テレビの生中継で事実無根の

暴言を吐き、さらにネットでも

「持論」をふりかざしたデヴィ

夫人は、多くの女性と男性を

傷つけました。

デヴィ夫人は、自分はカトリックの

信者なので中絶に反対なのだとも

言及していますが、キリスト教徒

だからといって苦しんでいる人を

さらに傷つけることが許される

わけがありません。

しかし、あえて弁護するなら、

デヴィ夫人は昭和15年生まれの

80歳、戦前生まれです。

その言動が無知や偏見に囚われて

いるのは、酷な言い方ですが

「老人だから仕方ない」のかも

しれません。

老人、というのは年齢に限らず、

新しいことを学べなくなった人

という意味です。

しかし、デヴィ夫人より若い人間で、

中絶に関して彼女よりも正しい情報を

持っている、と言い切れる日本人が

果たしてどのくらいいるでしょうか?

中絶について40年遅れている日本

(出典 : https://allabout.co.jp

残念ながら、中絶に関して

日本の医療は世界の標準から

40年以上後れているのが

実態です。

日本では、人工妊娠中絶を、

掻爬(そうは)法という手術で

行っています。

実は、中絶を手術で行うこと

自体が、国際的な見地から

見てすでに後れまくって

いるのです。

しかも掻爬法は、術前に処置が

必要で、痛みを伴う上、施術の

失敗によっては母体に危険を

もたらすことから、多くの国が

何十年も前からやめている

方法なのです。

デヴィ夫人の「不妊=中絶した人」

という見方は、こうしたところ

から連想されるタブー視でしょう。

ならば世界はどうしているのか?

先進国は経口薬で中絶を行います。

手術ではなく、飲み薬です。

フランスでは1980年代に認可

されている薬ですが、しかし

日本では、この飲み薬は

いまだに認可すらされて

いませんので、そもそも選択肢に

すら入っていないのが現実です。

手術にしても格段に後れています。

日本の主流である掻爬法は

とっくの昔の古いやり方であり、

現在は吸引法というのが一般的です。

吸引法は術前の処置もいらず、

使い捨ての細くて柔らかい

チューブを使うため、

金属の器具で文字どおり

「掻き出す」掻爬法より

ずっと負担が少なく安全なのです。

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中絶の痛みや負担は女性への罰でしかない

ならばなぜ、日本では、

より女性に負担のない方法が

普及しないのでしょうか?

それは中絶が不道徳である、

罪である、という考え方から

くる、女性への罰として、

女性が安全になることを

許さないからだと思います。

中絶すると将来妊娠できなくなる、

といって脅し、それでも中絶を

選んだ女性には身体的な痛みと、

心理的な罪悪感、そしてあさましい

ことに保険外としての費用の

全額負担という経済的な困難も

おしつける。

そうして女性を苦しめているのが、

この日本という国の実態なのです。

しかも、産婦人科医までが中絶を

希望する女性に対し、

『一生妊娠できなくなるかも

しれないけどいいの?』みたいな

脅しをかけることも少なくありません。

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中絶の安全は女性の権利

WHO(国際保健機関)の提唱する

「リプロダクツ・ライツ・アンド・

ヘルス=性と生殖における女性の

権利と健康」を日本社会は認め

ようとしていません。

しかし、中絶とは、身体的・

心理的・社会的のすべてにおいて、

女性の人生を大きく揺るがす

事態です。

性教育すら満足に受けられず、

性と妊娠・出産にあまりにも

無知なまま、日本人は性交渉の

可能な年齢に入ります。

その無知が、女性の生命と人生を

脅かしていることを、当の女性

自身も知りません。

しかも、自分の体を守ることが

不道徳である、罪であるとさえ

言われるのです。

デヴィ夫人の暴言は、彼女

一人が異常というわけでは

なく、この社会の多くの人が

いまだに持ち続けている

誤った現実を照らしたと

言えるでしょう。

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中絶についてもっと知りたい人へおすすめのサイト

こうした日本社会の無知に、

声を上げる産婦人科の医師も

多くなっています。

産婦人科医の遠見才希子

(えんみ・さきこ)さんは、

中絶に対し、現場の医療

従事者の間にさえ罪悪視

する傾向があると

指摘しています。

↑遠見才希子さん

(出典 : https://www.nhk.or.jp

「道徳のようなものと、医療を

ごちゃごちゃにしているところが

中絶はすごくあると思うんですよね。

まず医療者に一番大切なのは、

医療を安全に平等に必要な

すべての人に届けることだから、

そこが最初からごちゃごちゃで、

見失っているのが今の中絶医療

なのかなと思います」

「海外では女性の体を守ると

いうか、女性の体の健康のために

という視点があるので、薬剤が

出てきたら、薬剤切り換えという

国が多い。日本では薬があること、

その選択肢があることを知らされ

ていない。これはすごく問題だ

と思う」

遠見才希子さんの言葉は、

ひじょうに冷静だと思います。

道徳や宗教でなく、事実を

述べているからです。

遠見才希子(産科医師)の
記事はこちら↓

日本の後れた医療を憂える

遠見才希子さんは、

「セーフアボーションジャパン」

という団体を発足させ、

インターネットで知識を普及

させる活動をしています。

↑セーフアボーションジャパンのサイト

(出典 : https://safeabortion.jp/

中絶についての正しい知識を

知るために、すべての女性が

妊娠可能年齢になる前に知る

べきことが書かれています。

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WHO(世界保健機関)

「掻爬法は、時代遅れの外科的

中絶方法であり、真空吸引法

または薬剤による中絶方法

(Medical Abortion)に

切り替えるべき」

と勧告しています。

実際、欧米を含む先進諸国では

掻爬法はほとんど行われておらず、

掻爬法の実施率は、アメリカでは

0~4%、イギリスでは0%と

報告されています。

このことだけでも、もっと多くの

日本人女性に知ってほしいと

思います。

現在は、吸引法を行うクリニックも、

少数派ではありますが存在しています。

そうしたよりよい選択を女性たちが

行えるような社会であってほしい

ものです。

以上、デヴィ夫人の暴言から見た

日本の現実でした。

ではでは~

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