(出典 : https://www.tokushimaru.jp/)
今回は、移動スーパー「とくし丸」をクローズアップしたいと思います。
現在、スーパーの大型化や郊外化にともない、高齢者を中心に、地方・首都圏を問わず、買い物難民(買い物困難者)という現象が注目されています。
そんな中、徳島県で生まれた「とくし丸」が、困っている高齢者の家の玄関先まで軽トラックで出向き、食品や日用品を売る「移動スーパー」という業態を軌道に乗せています。
販売しているフランチャイズのオーナーには、脱サラしてこの事業に参入した人もいるとか。
とくし丸を利用したい人と、オーナーとして人の役に立つ仕事をしたい人、双方の視点から見てみました。
移動スーパー「とくし丸」とは?
「とくし丸」は、徳島市にある会社が2012年から始めた移動スーパーです。
地元スーパーと業務提携をして商品を仕入れ、エリアごとに巡回して、買い物に不自由する高齢者の家や、介護施設などに週2回程度出向き、日常の買い物の支援をしています。
お客はほとんどが買い物の足を持たない、歩くことに不自由している高齢者で、特に80代が多いそうです。近くにスーパーがないだけでなく、徒歩10分の距離にスーパーがあってもその距離を荷物を持って歩くことができない人たちです。
「とくし丸」は、そうした高齢者の要望を受け、改造して冷蔵庫を乗せた軽トラック「とくし丸」でそれぞれの家の前まで出向きます。
車内には、生鮮食品やお惣菜、刺身や肉、果物、お菓子、飲み物、そしてトイレットペーパーなどの日用品などを約1000種類を乗せられるようになっています。
(出典 : https://www.tokushimaru.jp/)
便利な御用聞きであると同時に、週2回顔を合わせることで地域の見守りにも役立っているそうです。
現在は、徳島県のみでも20台以上のトラックが稼働し、県外にもフランチャイズで広まっています。
来てもらいたい! 買う人にとってのとくし丸
うちにも来てほしいという人は、運営会社「とくし丸」に電話し、巡回可能な場所であれば、家の前まで来てもらえます。(電話番号 088-612-7028)ネットワークは徳島県に限らず、全国に拡大しています。
基本的に週2回、決まったコースを巡回し販売していますが、こんな商品がほしいといった要望にも応えており、次の巡回の時に仕入れて持ってきてもらえます。
商品の値段は、スーパーの販売価格に10円上乗せする「プラス10円ルール」。
タクシー代などよりもずっと安く、顧客の負担は極力抑えられています。
ビジネスオーナーになりたい!
売る人にとってのとくし丸
需要は非常に多い業態ですが、まだまだ供給が追い付かない現状で、とくし丸はフランチャイズ・オーナーをを募集しています。
・オーナーは、独立開業の個人事業主として「とくし丸」と提携・契約
・移動スーパー「とくし丸」の車両を購入
・提携スーパーの取り扱う商品を載せて、スーパーの販売を代行
代行なので仕入れ値はゼロ
・販売エリアの顧客開拓や販売ノウハウは「とくし丸」本部のサポートつき
・販売価格の「プラス10円ルール」のうち、提携スーパーとオーナーが5円ずつシェア
というしくみになっているそうです。
開業にあたっては、もちろん自動車運転免許が必要である他、車両を購入することや、食品衛生の講習会、営業許可などの手続きにも費用が掛かるため、340~360万円程度の資金が必要だそうです。
運転と販売、顧客対応すべてを一人で行なうため、体力的にはハードですが、需要は非常に多く、何より高齢者から感謝され、頼りにされること、地域を見守るやりがいのある仕事であることは確かだと言えます。
全国で事業説明会を開催しているということなので、それに参加するのもいいでしょう。
まとめ
超高齢社会に向け、移動スーパーという業態は今後さらに需要が増えることは確実だと思われます。
必要なのは、大規模な施策ではなく、「とくし丸」のように小回りが利き、一人一人に届く、小さなサービスではないかと思いました。
かつて、得意先の家を一軒一軒回っていた「御用聞き」をそのまま復活させることは難しいかもしれませんが、移動スーパーという形で高齢者に受け入れられれば、素晴らしいと思います。
以上、移動スーパー「とくし丸」の買う人・売る人のノウハウでした。ではでは~