仙台母子心中事件「仲直りの会」握手の欺瞞国のいじめ対策と学校の隠蔽残された手記『ストーリーズ事件の涙』

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(出典 : https://www3.nhk.or.jp)

今回は、10月21日オンエアの

『ストーリーズ事件の涙』に

採り上げられた、

2018年の仙台母子心中事件について

クローズアップしたいと思います。

母親が小学2年生の娘を殺め、

自らも命を絶った理由は、

学校でのいじめと、それに対する学校や

教育委員会などの無策に追い詰め

られた結果だと言われています。

いじめを訴えても、解決どころか

悪化させた学校。

保護者や地域などから陰湿な

陰口を受けて、孤立したこと。

母子を追い詰めたものは

何だったのか、

経緯とともに調べてみました。

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「いじめ探偵」の記事も合わせて

読んでください。

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仙台母子心中事件とは

仙台母子心中事件とは、

2018年11月29日に、

46歳の母親と、8歳の娘が

自宅で亡くなっていた、

いたましい事件です。

小学2年生の娘は、学校で

同じ学年の生徒からいじめを

受けており、

母親は学校や教育委員会に何度も

対応を求めたものの、解決どころか

悪化するばかりで、周囲からまったく

孤立した末に命を絶ったのでした。

一人残された父親は、学校の真摯な

調査と、加害者たちの心からの

謝罪を求め、事件を追及しています。

この事件で特に注目されているのが、

いわゆる「仲直りの会」です。

「仲直りの会」の握手

母親は、学校に対し、

20回以上も相談をしていました。

それに対し、学校側がとった行動は

「仲直りの会」というものでした。

いじめの加害者と、被害者を会わせ、

「仲直り」といって握手を

させたのです。

被害者の子どもは、握手を嫌がった

のですが、教師が手をひっぱって、

強制的に「握手」をさせ

「もうこれで仲直りしたから

いじめはなし」と

言ったそうです。

教師が「一件落着」とした

「仲直りの会」のあとも、事態が

好転するはずもなく、

被害者は執拗ないじめにあい続けました。

むしろ、握手がいじめを増長させた面も

あったのではないでしょうか。

上記のNHKのツイッターには、

「仲直りの会」を糾弾する書き込みが

多く寄せられました。

(出典 : https://www9.nhk.or.jp)

「加害者と被害者とをはっきり

させずに、なんとなく穏便にいじめ

問題を解決したことにしたい、

そんな学校側の考えがあるんじゃ

ないかと話していました。

だとすると、まさに拙速。」

「『仲直りの握手』は、いじめの

解決にならないばかりか、学校や

教師への不信感から、より深刻な

心の傷につながるケースもある」

実際、母親は、

「(娘を)追いつめたのは、

学校の“握手の会”。
なんで教育現場は変わろうと

しないんだろう。
変わろうと思ってほしい。」

と手記に残しています。

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国のいじめ対策

国が2016年に発表した

「いじめ防止等のための基本的な

方針」には、以下の文が書かれて

います。

「被害児童生徒を徹底して守り通す」

「加害児童には、教育的配慮の下、

毅然とした態度で指導する」

さらには、

「いじめは単に謝罪を持って、

安易に解消とすることはできない」

とも明記されているのです。

にもかかわらず、学校は強制的に

握手をさせて、

「いじめは終わった」としました。

配慮もない、安易な方法で勝手に

「終わり」を宣言し、被害児童を

さらに追い詰めたのは、学校が

国の方針を無視したためと

言えるのです。

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学校の隠蔽

2018年の8月になって、母親は

いじめ加害者の親と直接話す

機会を得ました。

しかし、学校は、被害者からの

質問一覧に、学校が用意した

「回答」を添付して、母親に

無断で加害者側に渡していました。

話し合いは加害者の親が、

「回答」をただ読んだだけに

なりました。

学校は「いじめなんてお互い様の

ものでしかない」と断言し、

三者面談は話し合いにもならずに

終わったと言います。

さらに、学校はこのいじめに対し、

隠ぺい工作ともとれる方法を

取りました。

それは、通信簿に被害者の欠席

日数を過少に記載し、「28日」と

したことです。

国の方針では「30日以上の欠席」を、

「重大な案件」と定義しています。

学校は、意図的に30日未満になるよう、

データを改ざんし、また、連続した

欠席ではないので重大とは

取らなかったと言ったのです。

日数の書き換えは、通信簿に記入された

数字を見て不審に思った父親が、

学校に問いただして初めて明らかに

なりました。

しかし、実際には30日よりずっと

多い日数を欠席していたと父親は

糾弾しています。

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残された日記

母親は、170枚にもなる手記を残して

いました。そこには、娘が棒で叩かれる

などの暴力や、無視といったいじめの被害に

苦しんでいたことがつづられていました。

(出典 : https://www3.nhk.or.jp)

母親は、学校に相談しても

らちが開かないとみて、

市の教育委員会にも相談しています。

また、文部科学省の「24時間子ども

SOSタイヤル」にも連絡をしました。

しかし、どちらからも対応をされる

ことなく終わったのでした。

子どもも心身の調子を崩し、

7月ごろから「死にたい」「生きていても

いいことがない」と口に出して言う

ようになります。

子どもが、当時に書いたメモが残っています。

(出典 : https://capturelife1.net)

「いじめられて死にたいよ

しにたいよ・・・しにたいよ
何もいいことないよ!
わるいことしかないよ!
いじめられてなにもいいことないよ
しにたいよ しにたいよ
しにたいよ しにたいよ。」

8歳の子どもが「しにたい」と何度も

書いた、壮絶なメモです。

母親はあらゆる手を尽くして、

いじめをやめさせようとしました。

しかし、結果は孤立でした。

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最悪の結果に

2018年11月29日。

父親が帰宅すると、

母子は亡くなっていました。

子どもの首には絞められた跡があり、

母親は階段の手すりで首をつって

いました。

警察は無理心中と判断しました。

父親は「学校と加害者に謝って

ほしい」と話しています。

事件については

「学校を休むという選択肢も

あったのではないか」

「転校すればよかったのでは

ないか」

という声もあります。

しかし、追い詰められ、孤立した

母子は最悪の結果を選んで

しまいました。

今後は「仲直りの会」なんて

ばかげたことをせず、徹底して被害者を

守るように、孤立させないように、

学校や教育委員会には真摯に

行動をしてほしいと思います。

いじめという陰湿な加害は、

学校の事なかれ主義によって

増長します。

社会の無関心によって、被害者が

追い詰められます。

子どもは「明るく元気な良い子」

ばかりではなく、陰湿で計算高く

残酷な加害者にもなりうるという

現実を、親も社会も逃げずに

直視することが必要だと思います。

以上、仙台母子心中事件についてでした。

いじめによって命を絶った

大河内清輝くんの記事も合わせて

読んでみてください。

『事件の涙』で採り上げられた

他の事件について、こちらの

記事もどうぞ。

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