(出典 : https://dogatch.jp)
今回は、5月24日オンエアの
『情熱大陸』に登場した、
3DCGアーティストの
TELYUKA(テルユカ)さんを
クローズアップしたいと思います。
TELYUKAは、
石川晃之(いしかわてるゆき)さんと
石川友香(いしかわゆか)さんの
夫婦のユニット名で、ともにフリー
ランスの3DCGアーティストとして
国内外の仕事をこなしています。
そんな二人が業界を激震させる
3DCG・saya(サヤ)を開発。
巨大資本の先端企業でなく、
フリーランスの彼らがなしえた
業績とは何かが、番組でも
紹介されました。
そんな二人のなれそめから、
仕事ぶり、sayaが乗り越えた
不気味の谷や、今後の
展開について見てみました。
テルユカのなれそめは?
石川晃之さんと石川友香さんは、
ともにCGの制作会社で働く同僚として
出会い、職場結婚をしました。
↑TELこと、石川晃之さん。
YUKAこと石川友香さん。
(出典ともに : https://www.autodesk.co.jp)
その後、2人は会社を辞めて、
2011年にTELYUKAを立ち上げ独立、
フリーランスの3DCGアーティストとして
活動するようになります。
出会いは会社でしたが、そろって独立する
のは、なかなか大変なことだと思います。
以来、石川晃之さんは技術・システム担当、
石川友香さんはアート、ディレクション担当
として、仕事をこなしてきました。
仕事もいっしょ、オフもいっしょの、
仲のいい夫婦です。
テルユカのプロフィール
石川晃之さんと石川友香さんは、
TELYUKAというユニット名で
2011年から活動を開始、また、
GarateaCircus株式会社の代表として
起業しました。
ガラテアとは、ギリシャ神話に登場する
彫刻家・ピュグマリオンの伝説から
取られています。
ピュグマリオンが自分の作った彫像に
恋をしてしまい、人間になるよう願った
ところ、女神アフロディーテによって
ガラテアという人間の娘になり、
2人で幸せに暮らした、という
エピソードです。
自分の作った作品に生命を宿したい
という願いが込められているのですね。
会社としては主に3DCGやムービーの
制作、キャラクター制作などを手掛けています。
そのかたわら、2人で独自に作り上げた
のが、2015年に発表された、
3DCGのsayaでした。
限りなく人間に近い3DCGアートであるsayaの
出現は、国内外から大きな注目を集め、現在も
バーチャルヒューマンプロジェクトとして
さらなる進化を続けています。
テルユカのsayaのプロフィール
(出典 : https://www.telyuka.com)
sayaは、TELYUKAの2人が発表した、
バーチャル女子高生です。
設定は17歳。特定のモデルはなく、
オリジナルの容姿を持っています。
sayaは、2015年に発表され、
現在もなお進化を続けています。
2016年にはシャープ株式会社との
コラボで静止画と動画が公開。
そのリアルさに業界が大いに驚きました。
2017年にはなんとミスコンに出演。
実在の人間とともに選抜を受け、
セミファイナリストに選ばれ、
「2018年特別賞(ぼっちが、世界を
変える。賞)」を受賞しました。
同年には、第21回文化庁メディア芸術祭で、
審査委員会推薦作品として選出されています。
2019年、デジタルサイネージアワード2019の
AI部門賞を受賞。
sayaのたゆまぬ進化は、毎年話題を呼んで
きました。
テルユカのsayaは不気味の谷を超えた
sayaの登場で、専門家たちが心底驚いた
のは、sayaが不気味の谷を越えたこと
でした。
不気味の谷とは、ロボット工学者の
森政弘が1970年に提唱した概念で、
人間に似せた絵や像が、よりリアルに
なっていく過程で、途中までは親近感を
高めていくのですが、さらに高度な
リアルさを持つと、突然人間は不気味さを
感じ、恐怖感や嫌悪感を抱くようになる、
というものです。
(出典 :ウィキペディアより)
こうした、突然の嫌悪感を「谷」に
なぞらえて、不気味の谷と呼び、
リアルを追求するうえでどうしても
越えられないものとされてきました。
具体的には、より人間に近い、
リアルなマネキンを作ると、
そのマネキンに着せた服は売れ行きが
悪くなると言われています。
リアルさが不気味の谷に落ちこみ、
嫌悪感を抱かせるせいです。
長い間、この不気味の谷は越えられない
ものとされてきました。
しかし、sayaはこの問題を超越、
不気味でないリアルを実現したのです。
それが多くの研究者におどろきを
もたらしました。
テルユカとsayaの今後の展開
sayaは、人とコンピュータの間に立つ
ものとして期待されています。
人工知能の発展により、自律思考や、
感情表現を学び、より人間に近くなる
ための研究が行われています。
(出典 : https://www.telyuka.com)
現在、開発に力の入っているものは
「声」だそうです。
sayaが人間社会に入るためには会話・
音声による命令や相談といった技能が
不可欠です。
こちらもまた、3DCGの動画と同様に、
不気味の谷を超えた自然な声が生まれる
のでしょうか。
巨大資本や最新の技術を持たない、
夫婦二人の小さな会社が不気味の谷を
超えてみせたことは、これまでの
開発に対する常識を覆しました。
声や会話もまた、個人のアイディアや
手作りの技術が可能にするのかもしれません。
以上、TELYUKAの石川晃之さんと
石川友香さん、そしてsayaの紹介でした。
ではでは~