(出典 : YouTubeより)
神戸大学教授の医師である
岩田健太郎(いわた・
けんたろう)さんが、
新型コロナウイルスの
肺炎により、横浜に足止め
されているダイヤモンド
プリンセス号に乗船し、
見聞きしたことを
一個人として、YouTubeに
アップしました。
動画の内容は衝撃的で、
2月18日夜のアップから、
明けて19日夕方には
あっという間に97万再生を
記録、SNSなどで拡散され
続けています。
この告発を行なった
岩田健太郎さんとは
どんな人なのでしょうか。
その経歴や著書、
これまでの活動などを
見てみました。
岩田健太郎さんのプロフィール
岩田健太郎さんは、
1971年生まれ。
1997年に島根医科大学を
卒業しました。
その後は、内科、感染症学、
漢方など、異なる専門領域を
積極的に学んでいます。
さらに国外にわたり、
ロンドン大学、ニューヨーク市
セントルークス・ルーズベルト
病院、同市ベスイスラエル・
メディカルセンター、
北京インターナショナル
SOSクリニックなどで
活躍され、各地で感染症の
研究と、実際の現場での
医療活動をしてきました。
帰国後は、亀田総合病院での
勤務を経て、2008年から
現職の神戸大学大学院
医学系研究科に所属、
医学部微生物感染症学
講座感染治療学分野教授、
ならびに都市安全研究
センター感染症リスク
コミュニケーション
分野教授となっています。
通称「イワケン」で
親しまれています。
岩田健太郎さんの著書
今回のニュースを知って、
確か岩田健太郎さんの本を
持っていたはずと本棚を
見てみたら、
ありました。
『もやしもんと感染症屋の
気になる菌辞典』です。
72種の菌について見開き
2ページで解説された、
やや専門的な本ですが、
漫画『もやしもん』の
石川雅之さんがかわいい
イラストを添えていて、
面白く読みました。
今まさに話題のコロナ
ウイルスから、マーズ・
コロナウイルスについて
書かれたページもあります。
ご自身を感染症屋と称し、
医師とは言わないところに、
おや?と思いましたが、
医師はいっぱいいても、
感染症の専門家は少ない
という意味ではないかと
思いました。
感染症という、人類永遠の
宿敵をご自分の「商売」
として掲げているところに、
プロとしての意識を感じます。
そして、『もやしもん』と
いえばもう一つ、
(出典 : YouTubeより)
診察用の上着の袖にも
『もやしもん』のキャラが!
実は、岩田健太郎さんは、
子どもの頃は漫画家に
なりたかったそうなので、
今でも漫画が好きなのかも
しれません。
菌を肉眼で見ることの
できる農大生を主人公に
した『もやしもん』が、
菌の専門家の
岩田健太郎さんにも
愛されているのはファンと
して嬉しいところです。
岩田健太郎さんは感染症の第一人者
そんなおちゃめな面のある
岩田健太郎さんですが、
こと感染症に関しては、
日本では第一人者と言える、
そうそうたるキャリアの
持ち主です。
エボラ出血熱の流行地・
アフリカのシエラレオネや、
新型インフルエンザが猛威を
振るった中国の北京にも足を
運び、現場で治療にあたって
います。
また、アメリカで起きた
炭そ菌テロにも専門家として
対応したそうです。
21世紀に入ってからの
主な感染症対策のの最前線に
いたのですね。
プロといっても、致死率の
高い感染症の現場に入るのは
怖くないのかと思いきや、
「プロだから怖くない」
のだとか。
岩田健太郎さんは感染症の
専門家として、どうすれば
安全を保てるかを知っていた
から怖くはなかった、
といいます。
そして、医療従事者の安全
確保こそ、感染症対策の
基本中の基本であると
断言しています。
ダイヤモンドプリンセス号の内情を告発
今回の新型コロナウイルスに
よる肺炎について、
岩田健太郎さんは1月から
2月の初旬にかけての間、
「騒ぎすぎないで」と、
ブレーキをかけていました。
また、国の対策も奏功して
いるとして、「日本の感染症
対策はうまくいっている」と
発言していました。
しかし、2月18日、
ダイヤモンドプリンセス号に
乗船して、その考えが打ち
砕かれたのです。
ダイヤモンドプリンセス号の
内部は、およそ感染症対策と
しては基本の「き」もない、
ひどいありさまだったといいます。
厚生労働省の官僚が、
感染症のプロを一人も常駐
させず、ずさんきわまりない
やり方で、船内の安全をまったく
保てていないことに、
岩田健太郎さんは愕然とした
そうです。
船内は、ウイルスに対し、
シエラレオネの病院よりも
無防備なありさまで、
岩田健太郎さんをして
感染の恐怖を感じさせた
ほどだったのです。
しかも、岩田健太郎さんは、
その日のうちに理由も告げ
られず、強制的に下船させ
られてしまいました。
その事実を、岩田健太郎さんは
マスメディアではなく、
YouTubeへアップして、
一個人として告発しました。
神戸大学の感染症学の教授の
生の情報を、なぜマスコミは
流そうとしなかったのでしょうか。
国から何らかの指示があったの
でしょうか。
それでも岩田健太郎さんは
「一個人として」と前置きして
告発に踏み切りました。
この告発が岩田健太郎さんの
神戸大学教授としての立場を
危うくするかもしれません。
それでも告発せずには
いられない、感染症の専門家と
しての使命が、岩田健太郎さんを
動かしたのは確かでしょう。
ダイヤモンドプリンセス号の
現状を世に知らしめることに、
それほどの決意が必要だった
ということが、この告発の
意味を重く、また恐ろしく
感じさせます。
国もマスコミも黙って何も
語らないのは異常です。
岩田健太郎さんの告発は、
日本人が見なければならない
現実を突きつけます。
エボラ出血熱やSARSの治療に
あたってきた感染症の専門家が
「悲惨だ」と言っている。
その事実がインターネットの
動画で世に出されたことに、
感染症と同じくらい怖い
情報統制を感じました。
動画は、日本語と英語で
発信され、中国語字幕の
ついたものも出ています。
※現在、この動画は削除
されています。
削除の理由について
岩田健太郎さんは
自信のツイッターを
とおして、
「ご迷惑をおかけした
方には心よりお詫び
申し上げます」
「これ以上この議論を
続ける理由はなくなった」と
コメントしています。
以上、岩田健太郎さんの
プロフィールと、その告発に
ついてでした。
ではでは