長谷川和夫認知症スケール考案の医師が認知症にプロフ家族との生活や著作『NHKスペシャル』

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(出典 : https://www.sankei.com)

今回は、1月11日オンエアの

『NHKスペシャル』に出演、

認知症医療の第一人者でありながら、

自らが認知症になったことを公表した

医師、長谷川和夫(はせがわ・かずお)さん

ローズアップしたいと思います。

40年以上、認知症を研究してきた

長谷川和夫さんは、自身も認知症に

かかったことで、新たに分かったこと、

感じていることを、現在も精力的に

発信し、2019年12月には新著も

出版しています。

そんな長谷川和夫さん

プロフィールの他、

研究の業績である

「長谷川式認知症スケール」に

ついてや、家族のこと、著作に

ついて調べてみました。

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プロフィール

長谷川和夫さん

1929年生まれの90歳。

精神医学の医師として、

老年精神医学、認知症について

ずっと研究を続けてきました。

特に、1974年に発表した、

認知症診断の目安である

「長谷川式認知症スケール」

作成したことで知られています。

また、それまでは「老人ぼけ」「痴呆」と

呼ばれていた病名を「認知症」に

改めたのも長谷川和夫さんの功績です。

しかし、2017年に自らが認知症に

なったことを公表

以来、認知症の専門家から当事者に

立場を代えて、認知症患者の状態や

意識について発信するようになりました。

長谷川式認知症スケールとは

長谷川和夫さんが1974年に考案、

作成した「長谷川式認知症スケール」は、

高齢者り認知症診断の指標として

長く使われています。

9つの質問をすることで、認知能力や

記憶力をチェックすることができます。

しかし、長谷川和夫さん自身が

強調するように、この「長谷川式

認知症スケール」だけで認知症と

決めつけることはできません。

うつ病などの他の病気や、

体調の良しあしでも点数は

変わります。

通常は専門医が問診をし、家族から

日ごろの状況を聞き、脳の画像診断

なども総合して判断されます。

質問は以下のようなものです。

1.年齢
例:お歳はいくつですか?

※2年までの誤差は正解とみなします。

2.時間
例:今日は何月何日、何曜日ですか?

3.場所
例:今、私たちがいる場所はどこですか?

※場所の名前や住所まで言えなくても

「病院にいます」「施設にいます」など

と答えられれば正解とみなします。

4.3つの言葉の記憶
例:「これから言う3つの言葉を

覚えてください。あとからまた聞きます」

※このように言って、「桜・猫・電車」

または「梅・犬・自動車」のどちらかを

覚えてもらいます。

5.計算
例)100引く7はいくつですか?

6. 数字を覚え、逆順に復唱する
例:次の数字を逆から言ってください。

2、8、6。

7. 3つの言葉の思い出せるかどうか
例:先ほど覚えてもらった3つの言葉は

何でしたか?

※質問4で使用した言葉を、もう一度

言ってもらう。

8.5つの品物の名前の記憶
例:これから5つの品物をお見せ

します。それを隠しますから、

何があったかを言ってください。

※時計、消しゴム、鍵など無関係の

ものを5つ用意し、名前を言いながら

目の前に並べます。並べ終わった

1つずつを手に取って「これは?」と

聞き、正しく答えられたことを

確認してから全て隠します。

その後、何があったか言って

もらいますが、思い出す順番は

どうでも構いません。

9. 言葉の流暢性

(素早く、数多く言えるかどうか)
例:知っている野菜の名前を

できるだけ多く言ってください。

※6個以上答えられたら1点ずつ加点します。

(出典 : https://e-heartclinic.com)

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作成以来、40年がたつ「長谷川式

認知症スケール」ですが、長谷川和夫さんは、

このスケールが安易に使われすぎて

弊害が出ていると指摘しています。

本人の気持ちも考慮せずに、いきなり

「検査します」と言ったり、前置きも

なく年齢という個人情報に踏み込んだり

するのは、本人からすれば

「何言ってるんだ」と怒らせてしまうと

言います。

世間話をしたり、「最近物忘れが

気になりませんか?」などの問いかけを

とおして、患者の気持ちに寄り添うことが

大切だと、長谷川和夫さんは強調して

います。

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自身が認知症に

日本における認知症の研究者の

筆頭だった長谷川和夫さんですが、

ご自身も高齢になり、88歳になった

2017年に認知症を発症したことを

公表しました。

研究者から当事者になったことで、

長谷川和夫さんの認知症への視点は、

初めて気づくことが多かったと言います。

その気づきを、長谷川和夫さん

日記につづっています。

曜日の感覚が分からなくなり、

カレンダーの横に日めくりをかけて、

1枚1枚破いて確認するようになりました。

また、乗り慣れた路線の電車に乗る

方法が分からなくなって人に尋ねたり

もしました。

さらには、日記を書くことそのものが

苦痛になってきて、「こんなに大変だとは

思わなかった」と気づいたそうです。

自分の状態を考えると、もう何もできなく

なるのではないかと心配になり、

ふさぎがち、こもりがちになることも

多くなりました。

しかし長谷川和夫さんは、できるだけ

外出して、今までどおりの日常生活を

送りたいと考えています。

認知症になったら、それっきりだと

思っていたけど、それは間違いだった。
そういうことに気がついたときに救われた。

と語っています。

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家族との関係

現在、長谷川和夫さんは、60年以上

連れ添ってきた妻の瑞子(みずこ)さんと

二人暮らしをしています。

認知症になる前は、仕事一筋で

家庭をあまり顧みなかったという

長谷川和夫さんが、認知症になって

瑞子さんのサポートを受けるように

なったことで、瑞子さんの存在が

とても大きくなったそうです。

自分を心配してくれる家族の存在を、

認知症が気づかせてくれたのです。

瑞子さんは、夫の薬を管理し、

お金がないと言えば「また『お金』が

始まった」といって、長谷川和夫さん

自身が入れたまま忘れていたポケットの

中のお金を気づかせたりもしています。

長谷川和夫さんは日記に、

ふと思ったこと。
僕の体や心の全てに瑞子が

いてくれる。
この感覚は初めてだ。
幸せだと思う。

とつづっています。

しかし、同時に「この時間も決して

長くはない」と思い、今後認知症が

進んだら瑞子さんに暴力をふるったり

することがあるかもしれないと

思っているそうです。

それでも、

認知症になっても、突然として

別の人間になるとは思わない。
正常の人と接するような接し方を

してもらいたい。
そうしていただくことで、認知症の

人は安定した気持ちになれる。

と語っています。

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長谷川和夫さんの著作

長谷川和夫さんは、認知症になって

からも著作を発表し続けています。

2018年には、子どもにも認知症が

分かるようにと、

絵本『だいじょうぶだよ―ぼくの

おばあちゃん』を出版しました。

(出典 : アマゾンより)

おばあちゃんが「いろいろわすれる

びょうき」になり、孫の男の子が、

長谷川和夫さんの実体験をもとにした

出来事をとおして、びょうきの

おばあちゃんと向き合う物語です。

また、2019年12月に出たばかりの

著書・『ボクはやっと認知症のことが

わかった 自らも認知症になった

専門医が、日本人に伝えたい遺言』

あります。

(出典 : アマゾンより)

認知症の研究者が認知症になった

ことで、研究と実際の違いを

つづる貴重な証言が本になりました。

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認知症の現在

かつて認知症は、かかったら終わりと

言われていました。

しかし、現在はその進行を遅らせる薬が

開発されています。

完治することはありませんが、

患者が自分らしく生き、家族の負担も

減らせるのです。

90歳の長谷川和夫さんは、今後も

変わらず、認知症について私たちに

教えてくれるでしょう。

認知症の人が生きるということは、

「死を上手に受け入れる」ことだと、

著書には書かれています。

認知症という病気の中にも希望がある

ことを、長谷川和夫さんは教えて

くれています。

以上、認知症研究者の長谷川和夫さん

ついてでした。

ではでは~

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