安倍首相が「女性活躍」や
「ウーマノミクス」を掲げる半面で、
専業主婦になりたい女性が
少なからずいます。
彼女たちはなぜ働きたくない
のでしょうか。
そこには、変わらない社会常識と、
男性の本音も大きくかかわっています。
「結婚したら働かなくてもいい」
という考え方は日本独特の考え方だ
と指摘する人もいます。
専業主婦の女性は幸福なのか、
見てみました。
働きたくない 厳しい現実に尻込み
日本女性の就業率は、過去最高の
71.8%まで上昇しました。
しかし、その3分の2は低賃金の
非正規労働者だと言われています。
日本は、海外と比較して、男女の
賃金差が格段に大きい国です。
それには旧来の男女役割分担の
価値観に根差した、女性の進出を
阻む社会の仕組みが大きく影響しています。
それでも荒波をかき分けて、
差別に立ち向かう、強くて
勇気のある女性は
たくさんいるわけですが、
同時に「私はそこまで強くない」
「そんなに苦労してまで働きたくない」
と考える女性がいるのも当然のこと。
少なからぬ女性たちが、立ちはだかる
壁に尻込みし、就労そのものから
降りようとしている。
それが「専業主婦になりたい
女性たち」を生んでいるのだと
思います。
男は仕事、女は家庭の社会常識に乗る楽さ
日本社会はいまだに
「男は仕事、女は家庭」を
前提にして回っています。
是非はともかく、現実は
そうなっています。
それゆえに、日本には
専業主婦が受けられる
優遇措置がいくつもあります。
扶養控除、家族手当、
第3号被保険者、年金制度・・・
そして、女性が無償で働く
ことが当然とされている、
家事、子育て、地域活動、
親の介護・・・
日本社会や日本の企業・地域は、
働く女性向けにはできていません。
まして子育てとの両立など、
望むべくもありません。
ならば、「男は仕事、女は家庭」を
すっぱり肯定して、そのとおりに
生きた方がずっと楽に生きられる。
多くの女性がそう考えるのも無理は
ないのが、日本の現実なのです。
専業主婦になるための婚活
(出典 : https://toyokeizai.net)
結婚したい女性の中には、その理由を
ズバリ「専業主婦になりたいから」、
「働きたくないから」と
公言する人もいます。
また同時に
「仕事をやめて家庭に
入ってくれ」
という男性もいます。
お互いの条件がマッチするのですから、
幸せなことかもしれません。
しかし、その夢をかなえるには、
いくつかのカギがあります。
1.男性の年収が何より大事!
共働きの男女が平均的な生活を
しようと思った場合、それぞれ
年収300万円は必要と考えると、
就労しない専業主婦を養う男性には、
一人で年収600万円以上の
稼ぎが求められます。、
男性の給料が低く抑えられつつある
現在の日本で、結婚を望む若い男性が
年収600万円以上を稼ぐのは
実はたいへんなこと。
専業主婦を望む女性は、年収の壁が
立ちはだかることで、パートナーを
見つけにくいと言われています。
2.男性の職業も大事!
男性の職業が公務員や会社員なら、
問題ありません。
しかし、自営業者の妻になったら、
その店の働き手になることを
求められます。
農家の男性と結婚したら、やはり
農作業をはじめとした仕事の
手伝いが必要になるでしょう。
専業主婦になるための結婚には、
意外と条件が多いのです。
男性の意見
(出典 : https://will-mari.com)
では結婚相手となる男性は、
専業主婦という形をどう考えて
いるのでしょうか。
1.昭和の家族肯定派
「家のことを任せられるのでウェルカム」
「子育てに専念してもらえるので大歓迎」
妻となる女性には家庭に専念する
専業主婦になってほしい。
自分は働いて給料を稼いでくる。
専業主婦を歓迎する「昭和な男」は
けっこういるようです。
2.子どものために派
「子どもが生まれたら、
外の仕事は辞めてほしい」
「子どもを何人も産んで育てて
くれる人と結婚したい。
自分が子ども好きなので」
「子どもを立派に育て上げるには、
母親が専業主婦となって
しっかりサポートすべきだ」
結婚相手に対し、
妻というよりは「母」を
求めているがゆえに
専業主婦を望むということ
のようです。
3.反対派
「専業主婦は時代錯誤」
「働く能力があるのに家庭に
入ってしまうのはもったいない」
「経済的にもちゃんと自立して
いる女性が好き」
「働きたくないから結婚すると
いう考えに反対」
専業主婦を肯定している人でも、
ただ働きたくないからという理由で、
どっぷり依存されるのはイヤと
いう人が多いようです。
専業主婦の幸福度
実は、専業主婦の方が
働く妻よりも幸福度が高い、
というデータかあります。
しかし、働く女性が増えている
ということを考えると、
女性の幸福度は下がって
きていることになって
しまいます。
ところが、子どもの地無を
考慮すると、上から順番に、
子どもがいない専業主婦
子どもがいない働く妻
子どもがいる専業主婦
子どもがいる働く妻
というランキングになります。
子どもがいなければ、専業主婦より
働く妻の方が幸福と答えているのです。
家事や子育てに夫の協力を
得られない日本社会では、
専業主婦か働いているか、
という条件よりも、
子どもがいるかどうかの方が
より重要な基準となっているのですね。
専業主婦は特殊なカタチ
ほんの数十年前まで、日本は
男も女も必死に働かねば
ならない貧しい社会でした。
しかし、高度経済成長時代に
入り、「会社員」という職業が
農業や自営業を抑えて多数派と
なり、同時に家事をサポートする
家電が開発されたことで、
「楽な主婦」「三食昼寝付きの
専業主婦」というイメージが
誕生しました。
そして現在、経済は低迷し、
男性一人の収入では、妻子を
養うのに不足する時代と
なりました。
マイホームや子供の教育費
などを考えると、
妻も家計を助ける必要が
出てきたのです。
そうして女性の就労率は、
右肩上がりを続けてきました。
「楽な、働かない専業主婦」という
存在は、高収入の一部の男性の妻に
限られてきたのです。
女性の多くが「楽な家事しか
しない専業主婦」でいられた
のは、経済が爆発的に
成長していた、ほんの
数十年のわずかな時代の風潮に
過ぎなかったのではないかと
思われます。
少子・高齢化社会に突入した
日本では、労働人口が激減します。
働ける人には働いてもらい、
経済を支えていかなくては
なりません。
もう数十年したら、専業主婦は
歴史の1ページにおさまってしまう
のではないか。
つまり、高度経済成長以前と同様に、
男も女も必死に働かねばならない
時代に戻るのではないか。
そんな中、多くの女性を尻込みさせて
しまうような、過酷な労働環境のまま
では、働く女性が疲弊してしまいます。
「男は仕事、女は家庭」の
専業主婦時代に戻ろうともがく
のではなく、変わってしまった
社会に合わせて常識が変わって
いかなければならないと思います。
以上、専業主婦になりたい女性に
ついてでした。
ではでは~