(出典 : https://blog.kingdomnote.com/)
今回は、万年筆のインクに惹かれ、その奥深い世界を紹介してくれる万年筆インク案内人の武田健さんをクローズアップしたいと思います。
大人なら1本は持っておきたい万年筆。
高価な筆記具の代表ですが、近年は低価格の物も出回っており、敷居も低くなっています。
とはいえ、ただ、黒い字をもそもそと書くだけではつまらない。
万年筆の世界には、もう一つ、「インク」という奥深い世界があるのです。
ポピュラーなブルーブラックひとつとっても、各社様々な色合いのブルーブラックを出していて、ブルーブラック1種類だけでもりっぱなコレクションができてしまいます。
そしておびただしい量の「カラーインク」はまさに魅惑の世界。
世界中の文具メーカーが素晴らしい色のインクを競っており、その数は数千種類とも言われています。
しかも、それにも飽きたらず、自分だけのオリジナルの色を追求する人までいるのです。
私の場合、成人式の時にもらったモンブランの白い万年筆があったのですが、大学の卒業論文170枚を万年筆で手書きしたらペン先がすり減りネジ山がすり減り、使えなくしてしまった苦い過去があります。
なので改めて万年筆の世界に入ってみたい!
ハマったら抜け出せない、大人の文具世界を見てみたいと思います。
プロフィール
武田健さんは、テキストクリエイター、万年筆インクコレクターとして活躍する文具ライターさんです。
保有するインクは2000本以上という、立派なインクオタク。
ご自身のブログはインクについて語る「HAPPY INK DAYS archives」を始め、「逸品の小部屋 世界の筆記具ペンハウスWEBマガジン」にてインクのコラム「HAPPY INK TIME 」の連載を担当しています。
大学教授の父と、読書家の母の間に生まれ、子どもの頃から本に興味があったという武田さん。
読むだけでなく、中学、高校、大学では文芸部に所属し、小説や詩を書いていた文学青年だったとか。
そして「書く」ことから発展して、万年筆の世界を知り、さらにカラーインクの世界にハマったそうです。
カラーインクの使い方
まず基本ですが、あなたが万年筆初心者ならば、万年筆とインクは同じメーカーのものを使うのが無難です。
また、同メーカーの物でも、別のインクを使うときは、
・インクを混ぜない
特別に「混ぜられるインク」はあります。後述
・あらかじめしっかり洗う
ペン先を水に漬けて中の古いインクを完全に出し、しっかり乾燥させる。
この2点は必須です。
そして、色を楽しむカラーインクの場合、ほとんどは「ボトルインク」を購入することになります。
この瓶入りのインクを、「コンバーター」という道具を使い、万年筆に入れます。このコンバーターは万年筆のメーカーによって異なりますので、メーカーをしっかり把握しましょう。
あとはお気に入りの万年筆とカラーインクを見つければ、インクの世界にハマれます。
武田健プロデュースのカラーインク
2000本以上のインクを持ちながら、さらに自分のオリジナルインクまで作る武田さんは、PENT(ペント)から、武田健プロデュースインク「コトバノイロ」シリーズというオリジナルインクを発売しています。
(出典 : 本人ツイッター https://twitter.com/kenkenbacky)
まず発売されたのは、夏目漱石『こころ』、三島由紀夫『黒蜥蜴』、谷崎潤一郎『春琴抄』の3色。それぞれモチーフとなった小説をイメージさせるインクです。
『こころ』は、初々しい登場人物の関係をイメージした落ち着いた緑、『黒蜥蜴』は、黒にごく近くありながら、なまめかしさとミステリアスな雰囲気をもった紫、『春琴抄』は、春=桜というイメージに少しアンバランスな印象を見た黒みがかったピンク、となっています。
なかなか渋いチョイスで、全色ほしくなりますが、販売価格は1瓶2,700円。やはり高尚な趣味でした。
自分で作る! ミクサンブルインク
2000色以上というカラーインクの世界を超えて、自分だけのオリジナルカラーのインクがほしい!
そうなったらミクサンブルインクに挑戦してみましょう。
ミクサンブルインクとは、名前のとおり混ぜることのできるインクです。これを調合すれば世界に一つのカラーインクが作れます。
初心者さんに優しいのが、「プラチナ万年筆 ミクサブルインク」全9色と、「万年筆インク調合キット」です。
(出典 : https://www.platinum-pen.co.jp/mixfree_top.html)
分量を決めて、スポイトで瓶から吸い出して混ぜればオリジナルインクが簡単にできあがります。
薄め液もあるのでパステルカラーもOK。
インクは各色1,200円。調合キットも1,200円とお値ごろです。
できたインクは↓のコンバーターで吸引させます。
コンバーター 700円
(出典 : https://www.platinum-pen.co.jp/ink_top.html#converter)
まとめ
ハマれば一生モノの趣味になる、素晴らしくゆたかで奥深い、万年筆とインクの世界。
今はお手頃価格で気軽に始められるようになっています。
武田健さんのブログで、インクの色を見ているだけでも楽しいですよ。
以上、武田健さんのカラーインクの世界でした。ではでは~