(出典 : https://www.itmedia.co.jpl)
今回は、仕事の悩みを聞き、
異業種の人々をつなぐ
『スナックひきだし』のママ・
木下紫乃(きのした・しの)さんを
クローズアップしたいと思います。
人生100年時代に、定年後も
就労する生き方が注目されています。
しかし急速に変化する時代にあって、
定年どころか現在働いている
会社でもリストラの嵐が吹き荒れ、
中高年が必要とされる人材であり
続けることは難しくなっています。
また一方では、会社の内外ともに
人間関係が狭くなりがちなのも、
新しい世界の情報を得たり、
異業種にアクセスする機会を減らし、
結果として視野を狭めて悩んで
しまいがちです。
そんな「働く人々」に、
新しい世界、新しいキャリアを
探し出すためのお手伝いを
買って出る、
「ちょっとおせっかいなママ」が
いるお店に、たくさんの人が足を
運んでいます。
そんな不思議なスナックについて
調べてみました。
プロフィール
その店のママは木下紫乃さん。
年齢を聞くのは野暮なのでパスします。
大学卒業後にリクルートに就職しますが、
7年の勤務ののちに体を壊して退職。
その後、いくつかの転職を経て、
企業の人材育成を支援する会社に
転職しましたが、その合間に3回の
結婚を経験。ドイツに移住もした上、
帰国後は大学院に入学。キャリア
教育を研究したという、波乱万丈で
経験値豊かな人です。
木下紫乃さんは、人材育成の会社に
いた頃から、ミドルシニアのキャリア
構築のサポートに関わっていましたが、
この分野で人と関わりたいという
思いから、2016年に独立、
株式会社ヒキダシを起業しました。
スナックひきだしとは?
(出典 : https://www.itmedia.co.jp)
しかし、普通にセミナーなどを開いても、
木下紫乃さんがターゲットとする
中高年世代の人は足を運んでくれません。
そこで考えたのが、スナックという
「場」でした。
スナックなら肩書や業種を超えて、
中高年の人が気軽に来てくれるのではないか。
木下紫乃さんは、大学院時代の
同級生で、バーを経営している人に
協力を仰ぎ、「スナックひきだし」を
始めました。
40代以上の人たちが、仕事のモヤモヤを
気軽に話せる場所でありたい。
最初は不定期開催で、麻布十番にある
知人のバーを2時間半だけ借り、
告知もフェイスブックのみのスタート
でしたが、参加者の数は予想以上で、
大盛況となりました。
回を重ねるごとにお客は増え、
同時に「行きたいが夜は出られない」
「40歳以下だけど行ってみたい」と、
新たな需要も見えてきました。
「もっと来やすい場所」をと
木下紫乃さんは考え、17年夏からは、
毎週月曜の午後5時~8時の
「ゆうスナ」と、
木曜の午後1時~6時の「昼スナ」を
オープン。幅広い人が来られる形に
しました。
コンセプトは、予約不要、過ごし方は
自由、定期開催、チャージ1,500円と
明朗会計、お酒は飲んでも飲まなく
てもOK、明るいママのお節介あり。
そして条件は一つ。
「知らない人とつながってみたい」
好奇心のある人。
告知は相変わらずフェイスブックのみ
ですが、口コミで広がり、来店者は
500人以上になったそうです。
集まる人たち
お客さんは年齢も職種もさまざま。
サラリーマンや経営者、学生、
果ては子連れのお母さんまで、
このスナックひきだしに来なければ
決して出会わないような、接点の
ない人ばかりです。
会社を辞めたいという20代のOLが
いれば、中高年の経営者と話を
してみてはどうかと、木下紫乃さんが
「出会い」をお節介することも。
ママ自身、自分を含むミドルシニア
世代が、世の中の変化についていき
きれていない悩みを抱えていると
感じており、そんな人たちが
「スナックひきだし」でつながって
くれればと願っているのです。
そんな木下紫乃さんのサポートで、
お客さんたちは「素の自分」を
さらけだし、好奇心をもって
交流しています。
異業種の人と出会い、出会いから
新しい仕事が生まれ、
そして思いがけない友人を得たり
しているのです。
これからの展望
スナックひきだしは、新たな
「場」として、
「スナックひきだし番外編・
大人の遠足」を企画しています。
しかも泊まりありの遠足で、
フェイスブックの告知には
「枕投げをしましょう」と書かれて
いました。
これは確実に普段の自分を捨てて
人と接することのできる楽しい場に
なりそうですね。
スナックという形を拠点として、
お客同士という、新しい出会いの
場を作る。
スナックひきだしは、企業や
地方へも出張して、つながりの場を
広げています。
また、出会いのコンセプトを引き継ぐ、
新たなママ・マスターの発掘も行っており、
「ママ養成講座」も開催しています。
ゆくゆくは、日本を飛び出して
世界にも「場」を作り、オンライン・
オフラインでつながることが
目標だそうです。
まとめ
毎日、ルーティンワークをこなして
いると、視野も活動の幅も、そして
何より自分自身の好奇心も小さい殻の
中にまとまってしまいがちです。
ですが、その殻を破り、知らない人と
出会う勇気があれば、仕事にも生活にも
まったく新しい世界が開けると思います。
そんな機会を提供してくれる場が
あれば行ってみたい、そう思っても
チャンスがないと思う人も多いでしょう。
スナックひきだしはそんな大人のための
新しいつながりの場として、
異業種交流とか、
オープンイノベーションなんて言葉を
うんと軽くして提供してくれる、
素晴らしい場所だと思います。
以上、木下紫乃ママと
スナックひきだしの紹介でした。
ではでは~