(出典 : ウィキペディアより)
今回は、アートディレクター、
通訳、ミュージシャンとして
活躍し、トランスジェンダーで
あることを公言している
コウタさん(本名石島浩太さん)を
クローズアップしたいと思います。
幼少のころから、「性別を
まちがえて生まれてしまった」と
思っていたコウタさん。
アートディレクターとして
ニューヨークでセレブな生活をし、
結婚、子どもももうけたものの、
性別への違和感は変わらなかった
といいます。
トランスジェンダーとして
生きていく決心をしたあとに
襲った別れや周囲の無理解の
なか、コウタさんは
どのように生きてきたのか。
現在は何をしているのか、
調べてみました。
コウタさんのプロフィール
子ども時代
コウタさんは1962年生まれ。
物心ついた時にはすでに、
自分が「間違った性」に
生まれてしまったと感じて
いたといいます。
また、「自分はおばあちゃんの
生まれ変わりだ」と言って、
大人たちを驚かせたそうです。
子供時代は、父親の転勤で
国内・国外を転々として
30回以上も引っ越しを
経験。激変する環境の中で
育ちました。
思春期には荒れて、高校は退学に。
そんなコウタさんを「矯正」
すべく、父親はアメリカの
軍隊学校にコウタさんを
入学させます。
そこでは性的虐待を受けて
つらい日々を送りますが、
野球とアートを心の支えに
したことから、卒業後は
ニューヨークの美術大学に
進学しました。
アートディレクターに
アートの世界ですぐに芽を
出したコウタさんは、
3年生の在学中に電通に
スカウトされ、ニューヨークで
アートディレクターとして
キャリアをスタートさせます。
それは、ニューヨークの
アートシーンでの華やかな
セレブの生活だったそうです。
メジャーリーグ通訳へ
1988年、26歳の時に、
コウタさんはダイエーの
中内功会長と出会い、
福岡ダイエーホークスの
通訳兼アメリカ野球界との
渉外担当にならないかと
打診されました。
アートとともに打ち込んで
いた野球の世界に惹かれて
コウタさんは入団を決めます。
日米の野球界の懸け橋として
奮闘するコウタさんに、
やがてアメリカのヤンキースから
オファーがきます。
伊良部秀輝投手、松井秀喜投手の
入団に合わせて、スカウトと
通訳を担当しますが、昼は
アメリカのオフィスで仕事、
夜は日本が朝を迎えるので
やはり仕事、と24時間
奮闘する日々を過ごします。
男性の姿のコウタさん(左)
(出典 : https://www.nikkansports.com)
努力が実って仕事は成功し、
さらにWBCでは日本が優勝
しますが、そのとき
コウタさんは、1つの
決意をします。
結婚~3児の父に
コウタさんは、アート
ディレクターの時代に、
運命の人ともいえる女性・
スーザンさんと出会い、
結婚、二女一男をもうけて
います。
しかし、コウタさんの心には、
スーザンさんをパートナーと
して尊敬する一方で、自分の
性への違和感がありました。
その違和感を押さえつけて
生活をしていましたが、
コウタさんは、その悩みを
スーザンさんに打ち明ける
決意をします。
ですが、スーザンさんは
受け入れてくれませんでした。
しかもスーザンさんには
愛人がいることが発覚。
二人はコウタさんのお金まで
持ち出して去り、コウタさんは
すべてを失いました。
男性から女性に
WBC第1回大会で日本の
優勝を見たコウタさんは、
「もう嘘をつくのはやめよう」と
決心、男性から女性になる
決意をしました。
ホルモン療法をはじめ、
喉仏を削り、2008年には
タイで性別適合手術を受けます。
ようやく本来の性になった
コウタさんですが、周囲には
理解されず、スーザンさんが
愛人と去っていったショックも
重なり、すべてをなくして
絶望したコウタさんは、
橋から身を投げてしまいます。
コウタさんの現在
自殺は未遂に終わりましたが、
コウタさんは精神科に入院する
ことになります。
トランスジェンダーであること、
ホルモン療法で不安定な精神
状態にあることが理由でした。
退院後、野球界からも去った
コウタさんは、日本に戻り
ますが、父は女性になった
コウタさんを受け入れず、
実家から追い出してしまいます。
ライブハウスが住み込みの
スタッフを募集しているのを
見つけて、コウタさんは、
そこへ転がり込みます。
音楽と出合ったコウタさんは、
ギタリストとして、また女優と
して活動するようになりました。
(出典 : http://outinjapan.com)
現在は、そうしたアート活動に
加え、自身のトランスジェンダーと
しての体験を語る公演活動や、
LGBT運動にも取り組んでいます。
「私が与えられるものは
優しさと思いやり」という
コウタさんは、いつか
スーザンさんと和解したいと
思っているそうです。
以上、コウタさんの壮絶な
半生の紹介でした。
ではでは~